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MBA経営辞書「MFTフレーム」

投稿日:2010/09/06更新日:2019/04/09

MFTフレーム(MFTFrame)

要素技術(シーズ)と市場ニーズの間に、「ファンクション」(効用)という概念をおくことで、製品化や事業化のイメージを容易にすることを意図したフレームワーク。コンサルティング会社のアーサー・D・リトルによって開発された。Mはmarket、Fはfunction、TはTechnologyの頭文字をとっている。もともとテクノロジー・マネジメントの用語であるためTechnologyという語を用いているが、これは経営資源や強みと読み替えて、メーカー以外の企業が用いてもかまわない。

たとえば、「刑務所」という施設がどのようなファンクションを持っているかを考えてみよう。1つの例として、「セキュリティ性が高い」というファンクションが考えられる。では、このファンクションを生かす市場はないだろうか?たとえば、セキュリティ性の高さから要人警護のビジネスが考えられる。危険人物に狙われたVIPを刑務所に匿うという発想だ。

実際に刑務所で行われている事例としては、大学入試などのテスト問題の印刷がある。これは、刑務所は人の出入りが少なく物の管理も厳重なので、民間の印刷会社で印刷するのにくらべると格段に漏洩のリスクが少なくなるからである。

また、「一般の人が見る機会のない珍しい場所である」というファンクションに気づけば、社会科見学的なツアーが考えられる。実際に網走刑務所などは、見学ツアーが組まれ、観光資源となっている。

刑務所を本来の目的である「囚人を閉じこめて更生させる場所」としか見ることができなければ、こうしたアイデアは出てこない。刑務所の隠れているファンクション、価値を見出すことで、新しいビジネスのアイデアが生まれたのである。

  • 嶋田 毅

    グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長

    東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計150万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」の著者、プロデューサーも務める。著書に『グロービスMBAビジネス・ライティング』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 100の基本』(東洋経済新報社)、『[実況]ロジカルシンキング教室』『[実況』アカウンティング教室』『競争優位としての経営理念』(以上PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上グロービス電子出版)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』『MBA定量分析と意思決定』『グロービスMBAビジネスプラン』『ストーリーで学ぶマーケティング戦略の基本』(以上ダイヤモンド社)など。その他にも多数の単著、共著書、共訳書がある。
    グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、事業革新、管理会計、自社課題(アクションラーニング)などの講師を務める。グロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、さまざまなテーマで講演なども行っている。

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