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MBA経営辞書「感度分析」

投稿日:2008/03/24更新日:2019/04/09

感度分析(SensitivityAnalysis)

計画や予想を立てる際に、ある要素(変数・パラメータ)が現状あるいは予測値から変動したとき、最終的な利益やキャッシュフローなどにどの程度の影響を与えるかを見る分析。
現代は不確実性の時代である。実際の結果が、計画どおりにいかない可能性はかつてなく高まっている。物事が予想通りに進まないときに、あわてて対策を立てていたのでは、効果が現れるのも遅くなるし、結果としてコストも高くなる。感度分析は、あらかじめ、計画やモデルの安定性や危険度、柔軟性を知り、改善の方向性などを探ろうというものである。例えば、他の変数以上に、為替の変動が最終利益に極めて大きく影響を与えることが分かったとすれば、先物やオプションなどのデリバリティブを利用することで為替リスクを回避することもできる。
実務で伝統的に行われている感度分析のやり方は、ある変数を、基準値(現在値、あるいは計画値など)から上下に20%ずつ変動させたときに、最終結果がどうなるかを見る手法だ。たとえば、原油価格が計画値では60ドル/バレルだとすれば、48ドル/バレル、72ドル/バレルのときに、最終利益がどうなるかを見ていく。このやり方は便法として分かりやすいが、各変数について機械的に20%の上下幅を取ることの妥当性に対して疑問を抱く人も多い。たとえば、新規顧客数や顧客平均単価など、売上げに関連する変数が20%ぶれることは現実にかなりの頻度で起こり得るが、自社でコントロールしやすい一人あたり人件費などが、計画値からが20%もぶれることは考えにくい。この指摘を踏まえて開発されたツールがトルネードチャートである。トルネードチャートでは、機械的に上下20%の変動幅をとるのではなく、現実に起こりうる可能性を関係者間で議論した上で個々の変数ごとに変動幅を決める。

次回は「ディシジョン・ツリー」を取り上げます。

▼「MBA経営辞書」とは
グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約700語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。

  • 嶋田 毅

    グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長

    東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計150万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」の著者、プロデューサーも務める。著書に『グロービスMBAビジネス・ライティング』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 100の基本』(東洋経済新報社)、『[実況]ロジカルシンキング教室』『[実況』アカウンティング教室』『競争優位としての経営理念』(以上PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上グロービス電子出版)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』『MBA定量分析と意思決定』『グロービスMBAビジネスプラン』『ストーリーで学ぶマーケティング戦略の基本』(以上ダイヤモンド社)など。その他にも多数の単著、共著書、共訳書がある。
    グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、事業革新、管理会計、自社課題(アクションラーニング)などの講師を務める。グロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、さまざまなテーマで講演なども行っている。

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