グロービスのマネジメントチーム・メンバーが選ぶ2015年の1字。(書: 藤井亜希子)
2014年は衆議院選挙あり、予想以上の円安あり、消費税の8%への引き上げと10%引き上げ時期延期の意思決定あり、多数の天災被害あり、そして海外ではイスラム国に代表されるテロの脅威増大ありと、激動の1年だった。株価も乱高下が激しく、2013年ほどの株高にはならなかった。総じて一歩先が予見しにくい、まさに現代らしい1年だったと言えよう。
おそらく2015年も世界的に見れば激動が予想される。そうした1年を我々はどのように生きていくべきなのか。筆者は、そのヒントは「原点」に帰ることにあると考える。原点の在り方は人によって違うかもしれないが、平均的な日本のビジネスリーダー(候補も含む)を想定するなら、それは人間のスキルとモチベーションこそが価値を産む源泉であることを再確認し、一人ひとりが自らの成長を促し、生産性を上げることに他ならない。特に、(観光資源などは別として)天然資源に恵まれず、言語的な壁があり、かつ人口減が予想される国においては、そうしないと緩やかに沈んでいくだけである。
明治国家の確立や、戦後の復興等を思い出せば、日本人にはそうした素地は十分にあるはずである。今一度危機感と当事者意識を持って、視野狭窄に陥らず、果敢に成長し、さらに上のレベルに挑戦することが求められる1年となるだろう。