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生成AIの現状と今後【松尾豊×岩村水樹×上野山勝也×川上英良×関灘茂】

投稿日:2024/04/29

G1サミット2024 第3分科会T
「AI時代の日本の戦い方〜日本の勝ち筋と未来を考える〜」岩村水樹×上野山勝也×川上英良×松尾豊×関灘茂
(2024年2月23日開催/沖縄万国津梁館)

世界で急速に拡がりを見せるGenerative AI。この新たなテクノロジーによって全ての産業においてディスラプティブイノベーションが連続する未来は極めて近いだろう。Generative AIが社会に実装されるAI時代において、日本が世界をリードするには何が必要なのか。その戦略を議論する。(肩書きは2024年2月23日登壇当時のもの)

00:00 オープニング

00:53 議論のトーン設定(松尾氏)

-2023年は、生成AIが目まぐるしく進展した1年だった。日本企業も速いペースで動いている。

02:14 それぞれの視点で生成AIをどのように見ているのか(上野山氏、川上氏、岩村氏)

-3つのレイヤーが起きている。チップレイヤー、ファウンデーションモデルレイヤー、アプリレイヤー。
-研究においては、検索行動が大きく変わった。他分野への参入障壁が下がった。医療についてはまだ大きな変化は起きていない。これまで課題特化型の研究が多かったが、汎用モデルを作る動きが出ている。
-キーワードは「Wow」から「How」へということと、「AI fore everyone」という2つ。UIが変わってきたのが非常に大きいのではないか。

08:54 どのようなユースケースが出てきているのか(上野山氏)

-労働力不足をカバーするAIエージェントが社会で動き始めている。Yahoo知恵袋のQ&AにAIが答えたり、メルカリで出品する時に文言のアドバイスをしている。アメリカではこれを理由にリストラが起きたり、デザイナー職が激減したりしている。広告代理店ではAIとデザイナーが手を組んで一緒に創るようになっている。熟達した自分の技術を手放してAIと手を結ぶことが重要。

11:28 疾患の予測などにおけるAI活用(川上氏)

-まだまだ限定的だが、データを取得しようとする動きやちょっと先を予測できるようになってきている。まだフィジカルな部分がAIに欠けている。患者さんと肉体的にどのように接触するか、というのは課題。

14:05 AIで出来ること、出来ないことがどのように変化している?(松尾氏)

-ドラフトや問い合わせ支援には役立つ。他の業務にも使えるが、5%生産性が上がっても、ちょっとだけ早く帰れるからうれしいで終わってしまう。そのため業務改革全体をやって、コストを減らして売上が上がるということになると、ROIが合い始めて急速に広がることになる。
-soraの前の動画生成は、ディフュージョンモデルを使っていた。Soraが使っているのはディフュージョントランスフォーマー。パラメーター、データの質・量は進化している。

21:02 業務の流れやマーケティングプロセスを変えていく動き(岩村氏)

-インサイトに関してはAIと一緒に進めることで格段にプロセスがアップする。クリエイティブはプロダクティビティを上げることは出来るようになっているが、クリエイティブの質を上げることはチャレンジ。クリエイティブアウトプットを上げることは、今チューニングをしているところ。

26:06 AIを取り込んでいる企業と取り込んでいない企業の違い(上野山氏)

-AIに限らず、ソフトウェアスタックをうまく乗りこなせると、生産性が出る。Palworldというゲームがグローバルで2500万本売れた。カジュアルにソフトウェアスタックを乗りこなせるチームが強い。それがAI領域でも当然起こると思う。

27:53 医療・ヘルスケア領域におけるAIの事例(川上氏)

-最初は診断。難しい予測についても取り組まれるようになっている。一番難しいのが介入。因果推論が進まないと、医療としては変わらないのではないか。

31:17 AIにおいて、日本がリーダーシップを取れる領域があるのか(松尾氏、岩村氏)

-LLMでデータベースが変わる可能性があると思っている。LLMが強力になってくると、クラウドを他国にとられているのが致命的になるので、勝ち目がないのではないか。
-日本には自らが出ていくより、キャラクターを作っていく方がやりやすかった文化があった。テクノロジーと人の間に入るエージェントAIのような魅力的なキャラクターを通して拡がる可能性はある。

37:44 質疑応答①

-チップはNVIDIAじゃないとダメなのか?代替はないのか?
-ファブリックのようなものをGAFAMが持っていると、最終的にどのような脅威があるのか。
-スタートアップ型基礎研究機関が来る可能性はどのくらいあるのか。
-G1のエコシステム全体でアウトプットを2倍3倍にしようとするとき、何がボトルネックになるのか。
-最終的にマネタイズする時に、どこが儲かっていく形になるのか。

47:47 最後のメッセージ(岩村氏、上野山氏、川上氏、松尾氏)

-とにかく使う。組織の上記レイヤーを取っ払うことが大事。リーダーが学び続ける。
-全員に可能性がある技術。人と人との間に加入すれば、多くの問題が解決するのではないか。
-健康保険・健康診断のデータを活用できれば、日本の優位性が取れるようになるのでは。
-世界から遅れていない感覚は大事。

  • 岩村 水樹

    グーグル Vice President

    日本の全マーケティング活動、及びインド東南アジアなどのエマージング・マーケット、オーストラリア、中国、韓国など多様なマーケットを包含するアジア太平洋全域におけるグーグルのコンシューマー製品及びグーグルコーポレートブランドのマーケティングを統括。
    近年は APACにおけるAI製品のマーケティングや、マーケティングのトランスフォーメーションも担当。
    グーグル入社前は、電通、戦略コンサルティングファームなどを経て、日本大学准教授、ラグジュリーブランドCEOなどを務める。
    東京大学非常勤理事。その他に経済同友会幹事、令和臨調メンバーなども務める。東京大学教養学部卒業。スタンフォード大学経営学修士。

  • 上野山 勝也

    株式会社PKSHA Technology 代表取締役

    未来のソフトウエアの研究開発と社会実装をライフワークとし、人と共進化 / 対話をする多様なAIアシスタントを創業以来累計約2600社に導入。 ボストン コンサルティング グループ、グリー・インターナショナルを経て、東京大学松尾研究室にて博士(機械学習)取得後、2012年PKSHATechnologyを創業。 内閣官房デジタル行財政改革会議構成員、内閣官房デジタル市場競争会議構成員、デジタル庁参与等の公務に従事し、社会におけるAI / ソフトウエアの在り方を検討。
  • 川上 英良

    理化学研究所 情報統合本部 先端データサイエンスプロジェクト チームリーダー

    2007年、東京大学医学部医学科卒業後、初期研修を経ず大学院進学。2011年、東京大学大学院医学系研究科(河岡義裕研究室)にて博士(医学)を取得。2013年より理化学研究所北野宏明ラボにてシステム生物学の研究に従事し、2019年より現職。臨床・基礎医学の課題に対し、機械学習とデータサイエンス技術を駆使した研究を展開するデータ駆動型医学研究の第一人者。科学技術・学術政策研究所『ナイスステップな研究者2019』選定。
  • 松尾 豊

    東京大学大学院工学系研究科 教授

    2002年東京大学大学院工学系研究科電子情報工学博士課程修了。博士(工学)。産業技術総合研究所研究員、スタンフォード大学客員研究員を経て、2007年より東京大学大学院工学系研究科准教授。2019年より同教授。専門分野は、人工知能、深層学習、ウェブマイニング。2020-2022年、人工知能学会理事。2017年より日本ディープラーニング協会理事長。2019年よりソフトバンクグループ社外取締役。2021年より新しい資本主義実現会議 有識者構成員。2023年よりAI戦略会議座長。

モデレーター

  • 関灘 茂

    A.T. カーニー株式会社 アジアパシフィック代表 兼 日本代表 代表取締役

    兵庫県神戸市出身。神戸大学経営学部卒業後、米系経営コンサルティングファームのA.T. カーニー株式会社入社。INSEAD(欧州経営大学院)MAP修了。

    現在は、A.T. カーニー株式会社のアジアパシフィック代表 兼 日本代表 代表取締役を務める。

    世界中の経営のロールモデルとなるような日本を代表する大企業20社、創業時から世界市場を見据えるベンチャー200社を生み出し、支援すべく、創造と変革に関わるプロジェクトを提案・組成し、伴走することにファームとしてコミットする方針を打ち出している。

    また、ベゾス+ペイジ+ジョブズ級の創造と変革の経営リーダー、それらのリーダーを力強く支える強力なフォロワーの人材育成、ネットワーキング、ファミリー化を進めることで、日本を変える、世界が変わる、ことに貢献することを志向している。

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