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ネゴシエーションのプロに聞いてみた! 交渉相手の“インタレスト”の掴み方

投稿日:2024/03/28更新日:2024/05/27

企業買収や資金調達などに限らず、「交渉」は日常の様々な場面で活用するスキル。関係者を納得させ、新しい価値を創造するのにも用いるこの技術は、実際に直面している課題にどう活かせばよいのか。

今回は、グロービス経営大学院やGLOBIS学び放題などにおいて、コミュニケーションやリーダーシップ領域で教鞭を執る林浩平講師を招き座談会を実施。「ネゴシエーションのプロ」とも言える林講師に、日々学びと仕事に励むGLOBIS学び放題アンバサダーのみなさんがリアルな悩みをぶつけた。

決裁者に対するネゴシエーションでは相手のインタレストを掴む

――ネゴシエーションスキルは多様な場面で活用され、交渉相手によってもやり方や悩みは変わってくるものだと思います。まず、上司や決裁者に対するお悩みについて、お話ししていきましょう。 

岩立さんと林講師

岩立:私は一般財団法人で働いているのですが、決裁者である理事の方々は様々な企業から様々な意向や事情を抱えて来られています。こういった環境でプロジェクトを進めていると、こっちを立てればあっちが反発するなど、調整に難しさを感じています。背景が異なる相手との交渉のポイントを教えてください。

林:部門間調整もそうですが、いろいろな役割や立場の人が集まって関心や利害が異なる中で合意を取って物事を進めていくことって難しいですよね。 

ネゴシエーションの基本概念としては、「パーティー(関係者)」「インタレスト(関心)」「バリュー(重要度)」の3点があります。

関係者はだれで、その関心は何で、それがどれぐらいその人にとって重要かという3つの側面ですが、この事例では「インタレスト」が重要ですね。相手の関心を見極め、どのぐらいのバリューを期待しているのかを把握することで、交渉の取っかかりがあるのかどうかを判断できます。 

そのためにも、関係者とその関心事を見極めつつ、一方で自分がそれらに応じられるか(ZOPA=そもそも交渉が成り立つ可能性がある範囲、に収まるか)を、早めに検討していく必要があります。もしなければ、その交渉は成立しない可能性があるわけで、早めに次善策(この交渉がダメだった場合のベストな策)に切り替える判断ができると良いでしょう。 

ZOPAやBATNAなど交渉の基本概念について知りたい時はGLOBIS学び放題

岩立:複数いる交渉相手の関心や判断基準がそれぞれ何なのかがつかめないのですが、どうしたらよいでしょう。

林:インタレストは、正直わからないものです。価格や納期、使いやすさや品質など経営合理的によくあるインタレストは想像がつきやすいですが、私たちも含め、人は必ずしも合理的ではないので、例えば「メンツ」など、非合理的なインタレストもありますよね。そうした要素も含めて、相手のインタレストが何か、色々な可能性を想像し、探ってみると良いです。 

また、相手のインタレスト=相手が特に関心あること、ですので、こちらから相手のインタレストを動かす働きかけもできるかもしれません。一例を挙げると、例えば「ユーザーに関心がない」という意思決定者に働きかけたい、「ユーザーへの関心」を高めてもらいたいとしたら、どんな刺激が良さそうですか?

岩立:やはりユーザーの生の声に触れる機会をつくることでしょうか。 

林:そうですね、まさにそうした刺激が興味を持ってもらうきっかけになりそうですよね。BATNAもインタレストもバリューも、目に見えるものとは限らない、主観なんです。だから相手の気持ちを塗り替えるような働きかけをすることは、実は結構有効だと思っています。「どうせ変わらない」と決めつけず、「相手のことが分かれば効果的なアプローチが見えてくるかも」と思っていれば、やれることが見つかるかもしれませんよ。例えば、相手が「他の人からの見え方」に強い関心がある場合なら、「その人に影響力ある人を味方につける」のも効果的ですよね。

岩立:打ち手が狭くなってしまっていたので、もっと柔軟にしておかなきゃいけないなと感じました。ありがとうございました。 

信頼関係を築くためにあえて「交渉をしない」選択肢をとる

――続いて、GLOBIS学び放題アンバサダーさんが『ネゴシエーションスキル』の動画を見て感じた疑問を、動画に出演している林講師に伺っていきます。

倉澤さん

倉澤:ネゴシエーションスキル(基本編)』を見て交渉について学んだのですが、私自身はあまり交渉を好まないタイプです。しかし、相手の駆け引きに乗らないのも関係性としてよくないのではと悩むことがあります。 

林:実は私自身、大事な人や仲間とは本当は「交渉」したくないと思っています。いわゆる「駆け引き」も好みません。

根本的な話になりますが、私は、健全な人間関係を築いて協業するための肝は「交渉しないでもよい”信頼関係”を築くこと」だと思っています。人間関係において無闇かつ露骨に交渉の構図に持ち込むこと自体、そもそも信頼関係を壊すことになりかねません。交渉の構図に持ち込むと、価値を創造した後に分配するので、ある種勝ち負けの側面が存在します。 

ですから、ここぞというときには交渉をしないという選択肢をとることはおすすめです。倉澤さんがキャラクターとしてナチュラルにやっていることは、今後も必要に応じて意図的にやっていくと良いと思いますよ。

倉澤:相手が交渉を好むタイプの場合、どのように対応したらよいでしょうか。 

林:場合によります。まず、相手の言い分が合理的な場合。相手の持ちかけてきた交渉の構図が合理的だと感じるならば、交渉の構図に乗るという選択肢を持っておいたほうがいいと思います。

他方、相手の言い分が合理的ではない場合。相手の持ちかけてきた交渉の構図が合理的ではない、例えば相手の要求が過剰すぎる、短期的には分かるが長期的には合理的でない、等と感じるならば、その交渉や駆け引きには応じないという選択肢もあります。その時には、なぜ自分が交渉や駆け引きに応じないのか、こちらの意図もなるべく伝えた方が、相手も納得してくれる可能性は高まると思います。 

論点に優先順位をつけるために仮説を持つ 

倉澤:GLOBIS学び放題の『ネゴシエーションスキル(実践編)』の中で、「論点が複数あると価値の奪い合いではなくwin-winの関係を築ける」という話があったと思います。とはいえ、会議の場で論点が多すぎるとまとまらないと思うのですが、そのバランスや優先順位の決め方はどう考えればよいでしょうか

林:私が気を付けていることは「どんな人が、どんな点に、どれ位の関心を持っていそうか」の仮説を持つこと。仮説を持つには人間理解が必要です。

例えば私自身、昔は上司がメンツを気にするかもしれないという発想がなかったので、ミーティングでその人の言うことに平気で突っ込んだり否定したりして、後から怒られていました(笑)メンツが大事と考える人が世の中には結構いることを知っていれば、仮説は立てられますよね。

このようにある種の人間理解や集団理解をしておくと、交渉の場面で「この立場や文脈においてはこんなことを気にするかもしれない」と仮説を持てるため、相手のインタレストを把握するスピードや精度は上がります。インタレストが把握できれば、論点の重要性を事前に評価して優先順位を決めておくこともできるでしょう。

(ファシリテーション編に続く)


ネゴシエーションの基本概念を理解しよう

林講師の話にも登場した「ZOPA」や「BATNA」など、ネゴシエーションには押さえておきたい基本概念があります。GLOBIS学び放題では、ビジネスの原理原則〜最新トレンドまで体系的に網羅しており、ネゴシエーションについても動画で学ぶことができます。

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