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アソビシステム・中川悠介氏に聞く、出会いをつかみ、価値に変えるには

投稿日:2025/07/24

原宿発のポップカルチャーを世界に広めたきゃりーぱみゅぱみゅをはじめ、TikTok世代の象徴とも言えるFRUITS ZIPPER、唯一無二の世界観やパフォーマンスで海外からも注目を集める新しい学校のリーダーズなど、時代のアイコンともなるアーティストを次々と輩出してきたアソビシステム。グロービスグループのLuckyFM茨城放送が主催し、今年も開催される音楽フェス・LuckyFes’25では、同社から多数のアーティストが出演する。

学生時代からイベント企画を手がけ始め、多くのムーブメントを生み出してきた代表取締役・中川悠介氏に、フェスの意義から、ヒットを生み出す人材育成や組織カルチャー、そしてエンタメ業界における「売る視点」まで聞いた。

リアルな場がもたらす、偶然の出会いと物語性

――今年もアソビシステムさまからは、多数のアーティストの方々がLuckyFesへご出演くださいます。また、アソビシステムさまとしても大型フェス・ASOBIEXPO 2025を開催されていますね。フェスという場には、どのような価値を見出されていますか。

中川:ワンマンライブとは違い、さまざまなジャンルの音楽に不規則に出会えることがやはり大きな魅力です。新しいアーティストを知るきっかけになったり、たまたま観たライブに衝撃を受けたり。フェスは発見の場なんです。

また、1日を通してリアルな場で音楽を楽しむことができることが強みだと思います。その日だけのキャスティングや天候、空気感も含めて、全てから「物語」が生まれるんですよね。どんなにお金をかけても買えない価値がそこにあると思っています。

LuckyFesは特に今年、出演アーティストのジャンルや方向性の振り幅がますます広がっている印象があります。また、今年から8月開催に移りましたよね。それによって、より“夏フェス感”が強まるんじゃないかと感じています。昨年までは夏休みに入るか入らないかという時期でしたが、8月開催だとまさに“夏本番”のど真ん中。時期的にもより盛り上がりやすいと思います。そこも大きな楽しみですね。

――中川さまはこれまで、ご自身でも多くのイベントを立ち上げられ、成功に導いています。フェスをはじめ、体験型のイベントを運営として成功させるためのポイントはどこにあると思われますか。

中川:いま全国で本当にたくさんのフェスが立ち上がっていますが、やっぱり一番大事なのは主催者側の「やりたい」という気持ち、そして「熱量」だと思います。会場の運営体制や出演者とのコミュニケーション、細かな演出に至るまで、色々な場面で「このフェス、愛があるな」と思える瞬間があるかどうかです。感じる場面は人それぞれかもしれませんが、そう思えることが多ければ多いほど、良いフェスだなと思います。

その点、グロービスの皆さんには熱意を強く感じていますし、それがフェス全体の雰囲気にも影響しているのでは。だからこそLuckyFesはここまで大きくなってきたんじゃないかと思います。

――嬉しいお言葉をありがとうございます。

アソビシステム所属アーティストは、8月9日(土)にFRUITS ZIPPERほかアイドルグループ陣が、10日(日)にきゃりーぱみゅぱみゅ、新しい学校のリーダーズが出演

才能との共創が生まれる組織づくり

――近年、所属のアーティスト・タレントの皆様の活躍を見かける機会がどんどんと増しています。多様な才能をどう見出し、育てていらっしゃるのでしょうか?

中川:実は、才能には「見出そう」としているというより、自然と「出会っている」感じなんです。その出会いを掴み、その人がつくるものに僕らがどう関わって、どう広げていくか。そこに僕らの役割があると思っています。

アソビシステムの社員も全員がクリエイターだと捉えています。誰かの“付き人”ではなく、自分で何かをつくれる人たちの集まりです。だからこそ、所属アーティストと社員が一緒になって新しいものを生み出せる。まさに化学反応のような組織だと思っています。

――そんな、所属アーティスト・タレント・社員をすべてひっくるめたクリエイターの方々が力を発揮できる組織にするために、組織カルチャーにおいて意識していることはありますか?

中川:「夢を持てる会社」であることですね。エンタメは夢を届ける仕事。なので、僕たち自身が夢を持ち続けられる環境でなければならない。やりたいことを自由に言って、実行できる雰囲気づくりは意識しています。

「売れる」「バズ」をつかむのは「継続の力」

――才能あるクリエイターを多数抱える立場で、大切にされていることを教えてください。

中川:僕自身はつくり手ではないので、彼らがつくったものが「どうすれば届くか」「どう売るか」を考えることに集中するようにしています。そのために大切にしているのは、世の中の人はどう感じるか、あえて一歩引いた視点で見るようにしていますね。

――変化が速く、人の感じ方も刻一刻と変わる時代の中でこれだけのヒットを続ける上で、どのようにして「世の中の人はどう感じるか」を掴んでいらっしゃるのですか。

中川現場に行くこと、そこでお客さんの反応、空気感を肌で感じることが何よりも重要です。ライブをどんな表情でどう楽しんでいるのか、どんなところでどんな反応をしているのか。実際に目にすることで理解が深まるのと同時に、自分もやる気が出ますし、新しいアイデアも生まれます。

――海外進出も積極的に進められています。海外でのライブ・イベントでは、何か国内と異なる反応がありますか?

中川:例えば、日本の楽しみ方は比較的静かな傾向がある一方、アメリカはリアクションがとても大きい。そうした反応の違いは国によってあります。ですが、特別にローカライズすることは意識していません。迎合しすぎず自分たちのスタイルで、日本でやっていることをそのまま届けています。

K-POPも、当たり前のように韓国語のままで聞かれていますよね。本来、音楽は翻訳を必要としないコンテンツ。だからこそ、日本で培ったクリエイティブをそのまま出していくことが重要だと思っています。

また、今はヒットの重要な要素としてTikTokなどのSNSでバズることがありますが、ここでは何よりも諦めないことが大事だと思います。

――「諦めない」というと?

バズは自然発生するのではなく、何かきっかけがあるものなんです。それを掴むには、何かをやり続けなきゃ何も始まらない。売れるには一瞬のタイミング……「運」を掴むことだと思いますが、そのためには常日頃コツコツやり続けないと、その瞬間に巡り合えない。だからこそ「諦めずにやる」、これが一番大事だと思っています。

自分たちで変化を起こし、アップデートし続ける

――最後に、読者であるビジネスパーソンの方々へのメッセージとして、キャリアや仕事において大切にしていることを教えてください。

僕たちは自分たちで会社をつくったこともあり、自分たちでアップデートし続けなければいけないと強く意識しています。新しいことに挑戦しないと、変化も起きない。だからこそ「チャレンジはやめない」、それが自分の軸になっています。組織やビジネスを変えていくには、まず自分自身が動き続ける必要があるということを、意識してみてほしいと思います。

――本日は貴重なお話をありがとうございました。


LuckyFes詳細情報

  • 中川 悠介

    アソビシステム株式会社 代表取締役

    イベント運営を経て、2007年にアソビシステムを設立。「青文字系カルチャー」の生みの親であり、原宿を拠点に地域と密着しながら、ファッション・音楽・ライフスタイルといった、原宿の街が生み出す“HARAJUKU CULTURE”を、国内はもとより世界に向けて発信し続けている。自主イベント『HARAJUKU KAWAii!!』を2011年〜全国各地で開催し、近年は、KAWAIIのアイコン・きゃりーぱみゅぱみゅのワールドツアーを成功させた。新プロジェクト「もしもしにっぽん」を発表し、日本のポップカルチャーを世界へ向け発信すると同時に、国内におけるインバウンド施策も精力的に行っている。

聞き手・執筆

  • 小栗 理紗子

    GLOBIS学び放題×知見録 編集部

    大学卒業後、人材系企業にてオウンドメディアのコンテンツ執筆・編集に従事。スタートアップから政府系機関まで、年間200社を超える企業の人事・経営層への取材を通じ、採用戦略や経営につながる組織課題に関する知見を蓄積。現在はグロービスにて、オウンドメディア「GLOBIS学び放題×知見録」を担当。企画からディレクション、執筆まで携わる。

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