プロダクトライフサイクルとは
プロダクトライフサイクル(製品ライフサイクル/PLC)とは、「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」の4つのステージからなるS字型のカーブの製品・市場の成長パターンです。
プロダクトライフサイクルの目的・メリット
成長ステージによって、市場の成長性や競合の多寡、顧客の製品への理解度などは異なります。PLCは、成長ステージにあったマーケティング施策がとれているか確認したり、競争環境や顧客ニーズの変化などを予測し、数年後にとるべきアクションを想定するために用います。
4つの段階とそれぞれの特徴
導入期から衰退期までの典型的な特徴は以下のようになります。
導入期
市場の発達の初期段階であり、新技術によって市場が創出されるケースも多く見られます。この段階では、 製品の使用方法や現在使用中の製品に対する優位性に関する啓蒙活動を重視し、顧客へのコミュニケーションを行う必要があります。
成長期
新製品が浸透してきて、売上も急成長します。買い手は、購入の仕方や製品の使用方法に関して知恵をつけてきます。また、市場セグメントそれぞれのニーズにきめ細かく合わせた製品が求められるようになり、差別化が必要になります。この段階では、 自社の製品を競合製品とは違うものだと認識するよう、買い手を教育したりする必要性があります。
成熟期
市場というパイの成長は終わり、企業が自社の取り分を最大化しようとし始める時期です。この段階では、業界構造は固定化し、少数の企業が大部分の市場シェアを獲得しています。これらの企業の目標は、市場シェアを維持し、可能であればこれを拡大することです。この段階でシェアを大逆転するのは一般的には難しいとされます。
衰退期
この段階に至ると、売上げは低下し、利益も激減していきます。 新規投資がほとんど必要ないことから、一部の上位企業はキャッシュを生み続けることができますが、それ以外の企業は撤退するか、イノベーションにより新たな価値の創造を行うか、どちらかの戦略をとる必要があります。
事例:国内テレビのプロダクトライフサイクル
国内のテレビを例にPLCを考えてみましょう。グローバルで見るか国内で見るのかで話は変わるのですが、ここでは国内のテレビ市場に絞って考えます。
かつては日本のテレビの草分けであったブラウン管型の白黒テレビはほぼその役割を終え、現在では市場に出回っていません。プラズマテレビは比較的新しい技術を用いた製品ではありましたが、技術競争でライバル製品に敗れ、国内メーカーは基本的に撤退してしまいました。PLCを実務で応用する際の難しさは、渦中にいると、今がどのステージなのかを正確に特定するのが難しいことです。たとえば、フューチャーフォン(ガラケー)が2007、2008年頃から衰退期に入っていたことは今となっては明確ですが、当時はスマートフォンの普及がどのくらいのペースで進むのかの予測は難しく、まだまだフューチャーフォンが伸びると考えていたメーカーもあったのではないでしょうか。
未来予測も絡んでくるため、この罠を抜け出すのは容易ではありませんが、さまざまな角度から情報を集めて予測する、あるいは、未来を決め打ちするのではなく、複数のシナリオを考えておくといったことが有効です。
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