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冬休みに読みたいおすすめ書籍3選――2023

投稿日:2023/12/21

長期休みは、改めて知りたいビジネスワードについて調べたり、今後のキャリアを考える時間を取ったりする絶好のチャンス。グロービス経営大学院の教員がオススメする、この冬休みに読みたい書籍を3冊ご紹介します。前回の夏休み版はこちら

なぜ人は非合理的な行動をとるのか?身近な事例から理解する

推薦者:嶋田 毅(グロービス経営大学院 教員)

本書はタイトルにこそ行動経済学、つまり経済学と心理学が融合した、ここ数十年で注目を浴びるようになった学問分野を掲げているが、内容は認知バイアス(思考の歪み。たとえば人は変化を過度に恐れ現状維持を好むなど)やナッジ(自分が他人に期待する行動を促すちょっとした工夫。たとえば男性用の小便器をきれいに使ってもらうために、蠅のシールを便器内に貼るなど)に関する事例集、小ネタ集といった方が正確だろう。

もちろん、行動経済学の研究に基づく内容も盛り込まれているが、それ以上に人が往々にして非合理的な行動をとってしまう理由をきわめて多数紹介している書籍となっている。
少し厚い本であるが身近な事例が多く、多くの人にとって「なるほど、そういうことだったのか!」と納得しながらスラスラ読めるだろう。スーパーの入り口でまず野菜が置かれている理由や、人が病気よりもワクチンの副作用を恐れる理由、カジノで現金からチップに交換する理由なども、この本を読めば分かるはずだ。

難しいのは、こうした知見をどう活用するかだろう。その気になれば悪用できる知見も多いからだ。それは倫理的に許されるのだろうか? この問いについては「おわりに」で触れられているので、ぜひその部分もしっかり読んでいただきたい。

勘違いが人を動かす 教養としての行動経済学入門
著:エヴァ・ファン・デン・ブルック、ティム・デン・ハイヤー 訳:児島 修 発行日:2023/11/1 価格:1,870円 発行元:ダイヤモンド社

「聴く」と「伝える」でコミュニケーションの質を変える

推薦者:許勢 仁美(グロービス経営大学院 教員)

本書は副題が絶妙だ。タイトルでは【まず、ちゃんと聴く。】といって我々を諫めつつ、副題では【コミュニケーションの質が変わる「聴く」と「伝える」の黄金比】という。「じゃあ、聴くだけでいいの?」という日々の素朴かつ切実な疑問に応える準備があることを示してくれるのである。

著者は、企業で働く人々に社外からの1on1を提供するエール株式会社の代表で、企業で働く人々の「聴く」「聴かれる(聴いてもらう)」ということに何年も向き合ってきた。本書はその知見の蓄積を整理したものだ。具体的かつ段階的に、よりよいコミュニケーションのために取り組むべきことが示されている。

そして、著者の眼差しはやさしい。

本書を手に取る人は、恐らく自身のコミュニケーションになにか課題を感じ、変わりたいと思う人だろう。そんなあなたに、「目の前の誰かを想ったり、チームや会社のことを想い、それを誰かのせいにするのではなく、自分にできることはないか、自分が変われることはないかと思いながら、コミュニケーションというものと向き合っている」。このことが「とても尊い」と語りかける。

この年末年始は、あの人とのコミュニケ―ションだけではなく、あなた自身とのコミュニケーションにも思いを馳せながら本書を読むことをお勧めしたい。

まず、ちゃんと聴く。 コミュニケーションの質が変わる「聴く」と「伝える」の黄金比
著:櫻井 将 発行日:2023/10/13 価格:1,870円 発行元:日本能率協会マネジメントセンター

未来世代を犠牲にしてきた私たちが、今、できること

推薦者:若杉 忠弘(グロービス経営大学院 教員)

人類には、植民地化や奴隷化をしてきたという暗い歴史がある。本書において著者は、私たちは、これらの歴史よりはるかに大きい規模で、未来世代を植民地化し、奴隷化していると訴える。私たちは、環境問題、核問題、テクノロジーどのリスクなどを未来に押し付けてきたからだ。

著者は、この課題の起因となる短期主義に引きずり込まれる6つの力に対して、解決策となる長期思考のための以下6つの方法を提案している。

  • ディープタイムの慎み 宇宙時間における瞬きの存在である自覚を持つ
  • レガシー・マインドセット 後世によく語り継がれる
  • 世代間の公正 7世代先まで考える
  • 大聖堂思考 人間の寿命を超えたプロジェクトを計画する
  • 全体論的な未来予測 文明のための複数の道筋を描く
  • 超目標 かけがえのない地球の繁栄のために努力する

著者の着眼点、比喩、取り上げる事例に触れると、このメッセージの大切さが心に響く。

著者によれば、例えばビジネスで当たり前になっているディスカウンティングという手法は、短期主義の力だ。ビジネスプランを作成するとき、私たちは将来の利益を割り引いて考える。これは、未来世代への影響を小さく見積もる行為にほかならないという。

長期思考に根差した感覚-悠久の時間「ディープタイム」-を取り戻す必要があると、著者は提案する。バルセロナにある大聖堂サグラダ・ファミリアの建築期間は100年を超え、悠久の時間に根差したプロジェクトだ。こうした長期プロジェクトが数多く紹介されており、希望になる。

本書の訳者で、現代仏教僧・松本紹圭氏のあとがきも味わい深い。日本仏教の宗教性は、悠久の時間を現前させる場であるというのだ。年始に初詣をする際は、スマホを一時見るのをやめ、悠久の時間を取り戻す時間とするのもよいかもしれない。

グッド・アンセスター わたしたちは「よき祖先」になれるか
著:ローマン・クルツナリック :松本 紹圭 発行日:2021/9/8 価格:1,980円 発行元:あすなろ書房


今回書籍を紹介した講師陣が登壇する、グロービス経営大学院の講座の例

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