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生成AIで推し活が変わる!?人間に残されたエンタメの可能性は?/明石ガクト×前田裕二×樹林伸

投稿日:2023/08/31更新日:2023/12/13

あすか会議2023
第2部全体会「Generative AI時代に高まる人間性〜AI×エンタメの可能性~」明石ガクト×前田裕二×樹林伸×瀧口友里奈
(2023年7月1日開催/国立京都国際会館)

AIの進化は止まらない。特にGenerative AIの登場は、音楽、アート、映画など、エンターテインメントの世界に果てしない新たな可能性を生み出そうとしてる。そうした中で、人間が生み出すコンテンツの、AIに勝る可能性とその価値とは何なのか。エンターテインメントとAIの交差点に立つパネリストたちが、AIの進化がエンターテインメントをどのように変え、その中で人間性が生み出す価値がどう進化していくのか、AI時代におけるエンタメの未来像を議論する。(肩書きは2023年7月1日登壇当時のもの)

00:31 AI×エンタメにおいて、気になっているAIの使い方

-(樹林氏)金田一少年の事件簿で、密室トリックを考えてもらおうと思ったが、箸にも棒にも掛からなかった。密室ということを今一つ理解していなかった。まだストーリーテリングに関してはまだ出来ない。ただそれっぽいものを作るのは上手い。『神の雫』に十二使徒というワインが出てくるが、間違ったワインが出てきた。ただそれっぽい。知らない人が見たら勘違いしてしまうの。
-(明石氏)今業務でも使うようにしているが、十二使徒のような絶対的なものにAIは弱い。ただ相対的なものを作るのはすごく上手。こないだTwitterに「可愛くてごめん」という曲を踊った動画を上げた。踊っている自分を、相対的に素敵な女性2人に変換したものがバズった。元になるもののバリエーションを増やしたりするのは上手い。これは結構エンタメに影響を与える。会社の代表はダンスじゃなくて何になるんだという話だけど、こういう才能を生かしてライブ配信できるようになったら、SHOWROOMでトップになれるんじゃないか。今は1秒間に15フレームなら出来るが、結局時間の問題。今までバーチャルなモデルを作るのに時間がかかったが、ものすごいコストが下がっている。
-(明石氏)今AIはライフハック、ビジネスハック的な方が注目されている。でもこれはリーダーとしてめっちゃせこい。未知な技術を使って何を新しいものを作る方が楽しい。
-(前田氏)推し活のように、本当に応援できるかどうかが大事。24時間365日無尽蔵に配信するAIは推せなさそうということがわかってきた。そういう人に投げ銭したいとは思われない。例えば、人間とAIに投げ銭が貰えるかを戦わせる。AIが負けたら魂が消えてしまう、AIはそれを恐れているという設定にする。それをやったときに、AIに共感できるかは試してみてもいい。AIには感情はないと言うが、それは本当なのだろうか。感情は本人がどうとかではなく、相手側がどう感じるかによって成り立っている。感情移入や共感が成されるかもしれない。

15:56 人間に残りそうなものは?推されるアイドルの特徴は?

-(前田氏)BiSHの解散ライブに行った時、東京ドームでサイリウムを配っている人がいて、誰ひとりサイリウムを持っていない人を作りたくないと話していた。推す理由は、「好きになれるか」と「役に立てるか」。好きになれるかはAIにも出来るかもしれないが、役に立てるかはAIにはまだ苦手なのでは。ファンサブやリツイートなど。推す余白を生みにくいし、感謝が跳ね返ってくる感覚も弱い。
-(明石氏)WACKのアイドルは、オーガニックな感じがする。世の中にはオーガニック食品、完全食品、間にあるセブンイレブンで売っているものがあるが、適度に添加物が入っているものを一番気軽に食べる。オーガニックは高いし完全食品は続かない。間にあるものは人間で言うと、2.5次元なのではないか。InstagramやTikTokの投稿では、フィルターで盛っている。ベースにあるストーリーはそれっぽいものを作れても、共感するようなものは作れないのではないか。40代のおっさんがセブンイレブン化しいていくことになるので、爆発的に流行ると思う。

26:32 良いストーリーとは何なのか。

-(樹林氏)共感性を持てることが大事。プラス意外性。両方を満たすものが売れる。例えば金田一少年の事件簿なら、スケベでしょうもないが(共感性)、天才でトリックを解き明かす(意外性)。意外性は難しい。意外じゃないものを知り尽くしているから意外性が出てくる。取材の中で10の中ら1とか2しか使わない。これをAIが情報を集めてきてくれたら楽になるが、なかなかAI相手に話したいとは思えないのではないか。
-(明石氏)モーフィングの話で言えば、AIが出てきた後は作業が早くなった。ワンクリック、ワンプロンプトで色々出来てしまう。アメリカのワンダーダイナミクスの映像はすごい。アニメ化・ドラマ化に至らなかった作品も、どんどん映像化されていくし、クリエイターエコノミーを助ける存在になる。
-(樹林氏)売り方を考えてくれることを期待している。
-(前田氏)物語には、フィクション的なものとリアリティ的なものがあるが、AIが得意なのは前者。ハリウッドの50年分ぐらいの脚本をすべて読み込んで13個に分ける「SAVE THE CATの法則 」という本にもあるように、人の心が動くものはある程度類型化できる方向性になるのではないか。音楽もそう。
-(明石氏)TikTokでは楽曲が鍵。大体1曲100万円くらいで高いなと思っていた。AIだと安くできるが、クリエイターがいなくなってしまうのを危惧している。変わらなきゃいけないことに面白さを感じている。

37:35 動画編集者がいらなくなったとき、どういう仕事に転換していくのか。

-(明石氏)絶対的なものを決める立場にならなきゃいけない。全体の世界観を決めてディレクションする人とそれをまさに体現する、BiSHみたいな生身のストーリーを持ってる人、これは代替不可能だから、みんながそうなっていかないといけない。これは、なかなかしんどい時代。
-(樹林氏)感動、怒り、涙みたいなものは、まだAIは概念としてしか理解できていない。

39:40 質疑応答① これからの子どもたちは何を学ぶべきか?

-(明石氏)これからはリベラルアーツの時代になる。それはイギリス式詰め込み教育。
-(樹林氏)AIに取って代わられそうな、プログラムみたいなことをやらせるべきではない。対人コミュニケーションは大事。
-(前田氏)現実世界との接点が大事。子どもが言い出した「好き」を絶対に止めないこと。

46:55 質疑応答② 加工したものが社会的に役立つのだ とすれば心が現実との乖離を受け入れられなくなってしまうのではないか。

-(明石氏)価値観は変わっていく。理想の自分に近づきたいという欲望は高まっていくのでは。
-(樹林氏)色んな価値観を受け入れる人が増えたらいいなと思っている。
-(前田氏)人気になるVTuberはネットの住民みたいな人が多いが、褒められるとその人は明るくなっていく。何らかの形で承認される経験を経ることが大事。

  • 明石 ガクト

    ワンメディア株式会社 代表取締役 CEO

    1982年生まれ。静岡市出身。2014年6月に新しい動画表現を追求するべくONE MEDIAを創業。トヨタ自動車やソフトバンクなど、ナショナルクライアント向けにTikTok等のSNSプラットフォーム向け動画コンテンツを企画制作し、マーケティング活動を支援。最新の著書『動画大全』(SBクリエイティブ)は韓国・台湾でも出版決定。YouTube Works Awards 2022 クリエイターコラボレーション部門代表審査員、TikTokクリエイティブアワード 2023 代表審査員を歴任。

  • 樹林 伸

    作家 「神の雫」「金田一少年の事件簿」など原作者

    早稲田大学政治経済学部卒業後、講談社に入社し漫画編集者として『シュート!』『GTO』等の企画・ストーリー制作に深く関わる。原作者として独立後は亜樹直、天樹征丸、他複数の名義で『金田一少年の事件簿』『神の雫』『サイコメトラー』『クニミツの政』(第27回講談社漫画賞受賞)『エリアの騎士』『BLOODY MONDAY』『GetBackers奪還屋』等のTV化された多くの漫画の他、木村拓哉主演のドラマ『HERO』などを企画、小説作品では『ビット・トレーダー』(幻冬舎)『陽の鳥』(講談社)『ドクター・ホワイト』(角川・フジ系にてドラマ化)等を発表、ゲーム作品『ファイアーエムブレムif 』の原案も担当している。また、市川海老蔵主演の新作歌舞伎『石川五右衛門』、及び同名テレビドラマ(テレ東)の台本を手がけた。2013年にはDeNA社が創刊したウエブ漫画雑誌『マンガボックス』の編集長に就任。2009年、グルマン世界料理本大賞の最高位『Hall of Fame』をアジア人初受賞。2010年フランス政府より農事功労賞、2019年には芸術文化勲章を受勲。2011年JapanExpoAwardsにおいて、最優秀青年漫画賞受賞。2013年4月、クールジャパン推進会議分科会委員。2023年には漫画「神の雫」が日仏米制作にてドラマ化され全世界に配信される。
  • 前田 裕二

    SHOWROOM株式会社 代表取締役社長

    1987年東京生まれ。2010年に早稲田大学政治経済学部を卒業後、外資系投資銀行に入社。2011年からニューヨークに移り、北米の機関投資家を対象とするエクイティセールス業務に従事。株式市場において数千億〜兆円規模の資金を運用するファンドに対してアドバイザリーを行う。その後、0→1の価値創出を志向して起業を検討。事業立ち上げについて、就職活動時に縁があった株式会社DeNAのファウンダー南場氏に相談したことをきっかけに、2013年5月、DeNAに入社。同年11月に仮想ライブ空間「SHOWROOM」を立ち上げる。2015年8月に会社分割によりSHOWROOM株式会社設立、同月末にソニー・ミュージックエンタテインメントからの出資を受ける。現在は、SHOWROOM株式会社代表取締役社長として、「SHOWROOM」事業、ならびに2020年10月にローンチしたバーティカルシアターアプリ「smash.」事業を率いる。2017年6月には初の著書『人生の勝算』を出版し累計16万部超のベストセラー。近著の『メモの魔力』は、発売2日で17万部、現在75万部突破(電子版含む)。

モデレーター

  • 瀧口 友里奈

    SBI新生銀行 社外取締役/エイベックス株式会社社外取締役/東京大学工学部アドバイザリーボード/株式会社グローブエイト代表取締役

    神奈川県出身。幼少期に米国に滞在。東京大学文学部行動文化学科卒。在学中にセント・フォースに所属し、以来アナウンサーとして活動。
    「100分de名著」(NHK)、「モーニングサテライト」(テレビ東京)、「CNNサタデーナイト」(BS朝日)、経済専門チャンネル「日経CNBC」の番組メインキャスターを複数担当するなど、多数の番組でMC・キャスターを務め、ForbesJAPANエディターとして取材・記事執筆も行う。
    経済分野、特に、イノベーション・スタートアップ・テクノロジー領域を中心に、多数の経営者やトップランナーを取材。東京大学 公共政策大学院 修士課程に在学中。“情報”の力で社会のイノベーションを加速することを目指し株式会社グローブエイト設立し、企業・アカデミアと、社会とのコミュニケーションコンテンツの制作プロデュースも行う。書籍「東大教授が語り合う10の未来予測」を編著。新メディア・アカデミアコミュニケーションプラットフォーム「アカデミアクロス」を立ち上げ、<映像✖️出版✖️イベント>を通してアカデミアと社会を繋げている。日米欧・三極委員会日本代表。 2024年、世界経済フォーラム ヤング・グローバル・リーダーズ(YGL)に日本人のキャスター・アナウンサーとして初めて選出される。

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