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相手にとって価値のある「ダメ押し」を考えよ

投稿日:2023/07/21更新日:2023/08/08

今年5月発売の『入社1年目から差がつく ロジカル・アウトプット練習帳』から「Lesson11 相手にとっての「+α」を考える」の一部を紹介します。

相手によって持っている情報や知りたいことなどは異なります。そこで、何かを伝える際にも、「誰にでも同じことを伝える」のではなく、相手の状況に合わせて、相手のためになるプラスαを付加することができると、情報の質が上がります

たとえば「明日は雨です」という天気予報があったとしましょう。これそのものは事実ですが、受け取る相手にとってその意味合いなどは変わってきます。建築現場関係の人であれば、「作業には十分に気を付ける必要があります」と追加することで相手に対する気遣いを伝えることができます。

相手が漁業関係者であれば、「明日の出漁は見合わせた方がいいのではないでしょうか」などと追加するといいでしょう。主婦や主夫の方であれば「今日のうちに一気に洗濯をしておいた方がいいですよ」と伝えると情報の価値が上がります。相手にとってためになるプラスαを付加できないか考える習慣をつけましょう。

(このシリーズは、グロービス経営大学院で教科書や副読本として使われている書籍から、東洋経済新報社のご厚意により、厳選した項目を抜粋・転載するワンポイント学びコーナーです)

STEP UP

人は、伝えようとすることを一生懸命わかりやすく伝えようと頑張ります。わかりやすく理解してもらえるという意味では相手に寄り添えているということができます。ただ、伝えたいことが伝わったとしてもそれが受け手にとってどのような意味があるのか、がないと単に伝えただけになってしまいます。受け手にとって意味のあるメッセージにするためにはどうすればよいのでしょうか。

あたなは、「平均」について、相手に説明をする必要があるとします。さて、次のケ-スA、B、Cの3つの説明、どれがいいでしょうか。

(ケ-スA)

「50、45、30、40、50、5つの数の平均は、43です。どのようにして求めるかというと、全部の数値を足して、それを個数で割ると算出することができます」

(ケ-スB)

「平均は、いくつかの数字を1つの数値で代表させられないかという目的で使われます。複数の数字をすべて伝えることはできませんし、聞いても理解ができないからです。 50、45、30、40、50、5つの数の平均は、43です。どのようにして求めるかというと、全部の数値を足して、それを個数で割ると算出することができます」

(ケ-スC)

「平均は、いくつかの数字を1つの数値で代表させられないかという目的で使われます。複数の数字をすべて伝えることはできませんし、聞いても理解ができません。 50、45、30、40、50、5つの数の平均は、43です。どのようにして求めるかというと、全部の数値を足して、それを個数で割ると算出することができます。あなたが、担当している5店舗の営業報告をしなければならないとします。5店舗の売上が、50万円、45万円、30万円、40万円、50万円だった場合、『5店舗の平均の売上は、43万円です』と1つの数字に集約させて報告することができます」

ケ-スA、B、C、3つの文章の違いを比較してみます。

ケースAは、平均はどう計算すればよいのかということについてのみ、記載されています。

ケースBは、ケースAの情報に加え、「平均」という概念がなぜ必要となっているのかということが付け加えられています。

ケースCは、ケースBの情報に加え、「平均」という概念を具体的にどのように活用すればよいのか、事例を提示し補足しています。

簡略化して図示すると、以下のようになります。

では、ここで、相手によって内容が変わるかという視点で、ケースA、B、Cを改めてみてみましょう。そう考えるとケースAとケースBは、「一般論として平均とはどういうものか」を語っているにすぎません。相手の存在には関係がなく、話せてしまう内容です。

もちろん、相手のレベルに合わせてどう説明するかということは考える必要はあります。ただ、それは説明の詳細度の違いであって、内容は誰に対しても変わりません。相手によって内容が変わるのはケースCの「どのように使えるか」を相手に合わせて説明をする場合、ここで初めて「相手」が登場してきます。

そうするとケースAもしくはケースBで話をするということは、「相手は誰でもいい」内容を話していることになります。このように、誰に対しても変わらないことを一生懸命話すということが、よく起こります。今回の「平均」を説明するという目的にも適った内容ではあります。ただ、「目の前のその人」に話をするのであれば、その相手に対してのメッセージになるよう「+α」の情報を添えていくようにしましょう。

POINT
  1. 伝えたいことをわかりやすく説明できる準備をする
  2. 伝えたいことの後に相手にとって意味のある「十α」を加えられないかを考える

入社1年目から差がつく ロジカル・アウトプット練習帳
著・編集:グロービス (著)、岡重文(著) 発行日:2023/5/31 価格:1,760円 発行元:東洋経済新報社

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  • 嶋田 毅

    グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長

    東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計150万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」の著者、プロデューサーも務める。著書に『グロービスMBAビジネス・ライティング』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 100の基本』(東洋経済新報社)、『[実況]ロジカルシンキング教室』『[実況』アカウンティング教室』『競争優位としての経営理念』(以上PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上グロービス電子出版)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』『MBA定量分析と意思決定』『グロービスMBAビジネスプラン』『ストーリーで学ぶマーケティング戦略の基本』(以上ダイヤモンド社)など。その他にも多数の単著、共著書、共訳書がある。
    グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、事業革新、管理会計、自社課題(アクションラーニング)などの講師を務める。グロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、さまざまなテーマで講演なども行っている。

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