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「自分が伝えたいこと」ではなく「相手の知りたいこと」を伝えよ

投稿日:2023/06/30更新日:2023/08/10

今年5月発売の『入社1年目から差がつく ロジカル・アウトプット練習帳』から「Lesson03 相手の立場から問いを設定する」の一部を紹介します。

コミュニケーションとは「自分が伝えたいと思っていることを相手に知らせることである」と思っている人が少なくありません。もちろんそれもコミュニケーションの一部であり、それで事足りるケースも少なくありません。知人に「最近暑いねー」などと伝えるシーンなどはその発想でも問題ないでしょう。

一方でビジネスのコミュニケーションでは、相手に理解を促したり、行動を喚起することが非常に重要になります。自分が伝えたいことをそのまま伝えても、相手の知りたいことを伝えなかったり、相手にとってほしい行動が促されなかったりしたら意味がないのです。

それを避けるための基本的なやり方は、相手の立場に立って「何が知りたいのだろう?」などと考えることです。相手の属性や立場などを理解したうえで、「多分このようなことを知りたいのだろう」と推察することが効果的なコミュニケーションの第一歩になるのです。

(このシリーズは、グロービス経営大学院で教科書や副読本として使われている書籍から、東洋経済新報社のご厚意により、厳選した項目を抜粋・転載するワンポイント学びコーナーです)

◇    ◇    ◇

相手の立場から問いを設定する

伝えたいことがあるからコミュニケーションが始まります。ただ、あなたが伝えたいことは必ずしも相手が聞きたいことではないかもしれません。伝えたいからこそ、話し手基準の内容になってしまう可能性もあります。相手の立場から何を伝えればよいのか。相手起点のメッセージにするためにはどうすればよいのでしょうか。

事例

あなたは、学習塾の広報の担当者です。来年度の生徒募集のために、保護者向けに生徒募集のセミナーを開催することにしています。さて、どのようなことを伝えればよいでしょうか。塾の特徴は何か、どんなカリキュラムなのか、どんな制度があるのかなど、説明しなければならないことはいろいろとありそうです。

ここで考えておかなければならないことは、コミュニケーションの結果は受け手が決めるということ。このままの発想だと自分が言いたいことを伝えることになってしまいます。

そこで、相手起点で物事を考えていくために、相手がどのような目的でこの場にやってきているのか、その目的を具体的に「問い」で表現してみることにします。では、この場に足を運ぶ保護者の最大の関心事はなんでしょうか。どんな特徴があるのか、どんな制度があるのかも知りたいことの1つであることは間違いありません。

ただ、例えば、受験目的であれば、「自分の子供をこの塾に入塾させれば志望校に合格できるのか?」が最大の関心である可能性は高そうです。もしくは、学習塾という機関の特性を考えれば、「自分の子供はここで力がつくのか?」といったことである可能性もあります。

少し整理します。自分の立場から問いを立てると「セミナーで何を話すべきか?」となります。

一方で、相手の関心事から出発すると「自分の子供をこの塾に入塾させれば志望校に合格させられるのか?」もしくは「自分の子供はここで力がつくのか?」といった状況が考えられます。

前者の「志望校に合格できるのか?」が関心であれば、合格実績は大切な情報でしょう。加えて、全体の合格実績以上に、自分の子供が合格できるのかに関心があるはずです。そう考えると、一人ひとりをどのようにサポートしていくかといったことが訴求ポイントになるかもしれません。

後者の「力がつくのか?」が関心であれば、教科ごとの特徴や講師の教え方の上手さといったことをしっかりと伝えることが重要かもしれません。

塾として持ち得ている情報は同じなので、結果的に伝える要素は、それほど大きく変わらないかもしれません。しかし、提供者目線で考えるか、相手目線で考えるかは、大きな違いです。相手目線を起点に考えられるようにしていきましょう。

POINT
  1. 相手側の情景をイメージする
  2. 情景を踏まえて、相手の最大の関心事を問いの形で表現する

入社1年目から差がつく ロジカル・アウトプット練習帳
著・編集:グロービス (著)、岡重文(著) 発行日:2023/5/31 価格:1,760円 発行元:東洋経済新報社

グロービス出版
グロービス電子出版

  • 嶋田 毅

    グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長

    東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計150万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」の著者、プロデューサーも務める。著書に『グロービスMBAビジネス・ライティング』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 100の基本』(東洋経済新報社)、『[実況]ロジカルシンキング教室』『[実況』アカウンティング教室』『競争優位としての経営理念』(以上PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上グロービス電子出版)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』『MBA定量分析と意思決定』『グロービスMBAビジネスプラン』『ストーリーで学ぶマーケティング戦略の基本』(以上ダイヤモンド社)など。その他にも多数の単著、共著書、共訳書がある。
    グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、事業革新、管理会計、自社課題(アクションラーニング)などの講師を務める。グロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、さまざまなテーマで講演なども行っている。

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