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DXの潮流における、著者からの応援歌 ―『ソフトウェア・ファースト』

投稿日:2021/12/23

デジタル化の波にどう立ち向かっていくのか?

巷では、SaaSだのサブスクだのDXだの、バズワードが飛び交っている。ビジネスパーソンは、この時代の流れをどのように捉え、サバイブしていけばよいのだろうか?また、エンジニアの方も、これまでのようにコードを書くだけでは、自分のスキルがコモディティー化していくと不安に感じているのではないか。そのような中で、どのようにスキル、マインドを鍛え、自身のキャリアを開発していくべきなのだろうか?

本書は、今、世の中で起こっている潮流を読み解き、企業・個人として、どのようなマインドとスキルで対応していくべきなのか、その全体像がコンパクトに記載された貴重な本である。デジタル技術を活用したビジネスを始めようとしている、始めた、その担当になったという人だけでなく、ビジネス領域の理解を深めていきたいエンジニアの方、これから自社にDXを取り込もうとしているがどうすればよいのか分からない経営層の皆さんまで、幅広い読者層に読んでもらいたい。私自身、IT業界のバックグラウンドがある訳でもないが、既存ビジネスがデジタルと融合し、変化している中、如何に自分が変化にアジャストしていくかは個人的な重要イシューであり、まさに同じような問題意識を持たれている方も多いのではないか。

「ソフトウェア・ファースト」のWhatとWhy

そもそも、「ソフトウェア・ファースト」とは何か?本書の中で、説明された文章をそのまま引用してみよう。

「ソフトウェア・ファースト」とは、IT(とそれを構成するソフトウェア)活用を核として事業やプロダクト開発を進めていく考え方です。(p.35)

ソフトウェアの可能性を理解した上で、ユーザーの感情に訴えるプロダクト開発を目指す姿勢がソフトウェア・ファーストなのです。(p.146)

著者が上記で説明しているように、「ソフトウェア・ファースト」とは、ソフトウェアを開発するための手法を理解することではない。ユーザー体験の最大化のために絶えず改善と変更を繰り返しながらソフトウェアを進化させていくというソフトウェア開発の際の「思想」や「姿勢」のことを指しているのだと言う。では、なぜ、企業や個人は、「ソフトウェア・ファースト」な考え方を持つ必要が出てきたのか?

その理由は、外部環境の変化にある。すなわち、常にインターネットに接続された社会になりつつあることや、「所有から利用・体験へ」と言われるような若者の価値観の変化によって、SaaS(Software as a Service)と呼ばれる「体験型」継続ビジネスが新たに生まれてきたからに他ならない。これは、従来の日本の製造業がこれまで得意としてきた「製品売り切り型」のビジネスとは全く異なる。すなわち、売り切っておしまいではなく、顧客に継続して自社の商品・サービスを使ってもらうことで、顧客の体験をより良いものにし、顧客に使い続けてもらえるように、絶えず改善を繰り返しながら、製品・サービスを進化させ続ける必要が出てきたということだ。そのためには、顧客に提供する製品・サービスの企画・設計だけでなく、ビジネスモデル、バリューチェーン、人材育成と採用、企業の根底にある価値観・考え方など、多くのことを変えていかないといけない時代になったということである。

顧客体験に根差した新たな製品・サービスの企画・設計とそれに伴う社内変革とは、まさしくDXが本来主旨とすることそのものである。本書には、この大変革下で、企業が、そして個人がどうあるべきかのレシピが詳細に記されている。

著者からの応援歌

私には、この本が著者からの日本企業と日本企業に属する経営者・社員に対する強烈な危機感の提示とエール(応援)に思えてならない。本書の中では、「ソフトウェア・ファースト」を進めていく際の日本企業の課題(難所)と著者の解決策まで提示されている。「ソフトウェア・ファースト」に向けた変革は容易ではないだろうが、今こそ、我々はこの本を教科書に変革に立ち向かっていかなければならないのではないだろうか。

ソフトウェア・ファースト あらゆるビジネスを一変させる最強戦略

著者:及川 卓也 発行日:2019/10/10 価格:2,090円 発行元:日経BP

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