問題解決の基本的なアプローチは「良い分解」


今年7月発売の『入社一年目から差がつく 問題解決練習帳』から「Lesson8 未来の事象を分解する」の一部を紹介します。

よく「『分ける』は『分かる』」ということが言われます。また「問題はうまく処理できる程度に細分化せよ」という言い方もあります。適切に分解を行うことで問題のポイントを正確につかむことが問題解決の効率を劇的に高めます。また、分解は過去に起きたことのみならず未来の予測でも有効です。適切に分解してそれぞれの要素についてしっかり見積もるからこそ予測の精度は上がっていくのです。過去の出来事に比べると予測は往々にしてこうした分解が甘くなりがちですが、ビジネスにおいて精度の高い予測は非常に大切です。ぜひここでも良い分解を行い、納得感の高い予測につなげたいものです。

(このシリーズは、グロービス経営大学院で教科書や副読本として使われている書籍から、東洋経済新報社のご厚意により、厳選した項目を抜粋・転載するワンポイント学びコーナーです)

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 分解は、過去の結果に対して行うだけではありません。正確にはどうなるかわからない未来を予測するためのポイントも、やはり分解です。基本的なアプローチは、分けて考えて、積み上げていくことです。では、どのように分けて、積み上げていけばよいのでしょうか。

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今年度の売上は、1200万円でした。来年度の売上を予測してください。さて、どのように考えていきますか。

まず、直観として、「ざっくり1800万円」と思いつきで、予想してみることが可能です。ただ、これでは、誰も納得してくれません。

そこで、「来年度の売上=今年度の売上×成長率」と売上を掛け算型で表現し、成長率が150%になるという想定で、1800万円と予測してみるのはどうでしょうか。直観とそう大きな差はないかもしれませんが、「来年度の売上=今年度の売上×成長率」と式で表されている分、理屈がわかるため、少し安心感をもつことができます。

後は、150%の成長が可能であるということについて、どれだけ根拠をもって説明できるかということが大切です。

では、これまで学んだ分解を使って予測をしてみましょう。

まず、足し算型で分解をしてみます。例えば、今年度の売上1200万円を商品別に分解してみましょう。1200万円=700万円(商品A)+500万円(商品B)だったとします。

700万円だった商品Aは、堅調な成長で1000万、500万円だった商品Bは大きな伸びが期待できるので800万円。結果、1000+800=1800万円だろうと予測をします。

今度は、掛け算型で分解をしてみます。仮に、1200万円=3万(単価)×400(客数)だったとしましょう。

3万円だった単価は、3.6万円ぐらいまでは伸ばせそう、客数の400人は、500人までは期待ができるのではないかと考え、3.6万円×500=1800万円と予測をします。

さて、ここまで、4つの方法で来年度の売上を予測してみました。

  1. 直観で考える
  2. 今年度の売上に対して、成長率を考える
  3. 今年度の売上を商品別に分解し、商品ごとにどのくらいになるか考える
  4. 今年度の売上を単価×客数に分解し、単価、客数ごとにどのくらいになるか考える

いずれも、どのぐらいの伸びになるのかという点については、根拠づけが必要です。ただ、売上を売上総額のまま捉えているよりは、商品別に分けて考える、単価と数量に分けて考えるということで考えやすくなります。

また、総額での「エイヤ」ではなく、要素ごとに積み上げることになる分、説得力も増してきます。未来に対しても、分けてみて、分けた要素ごとに予測していくということを心掛けましょう。

 

入社1年目から差がつく 問題解決練習帳
著者:グロービス 執筆:岡重文 発行日:2021/7/30 価格:1760円 発行元:東洋経済新報社

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