『伝わる・揺さぶる!文章を書く』――読み手がうんざりするメールから卒業するために 

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皆さんは、毎日何通くらいのメールを読むだろうか。忙しい人ほど量が多く、中には100通以上届いて正直うんざりしている人もいることだろう。本書は文章の書き方全般について解説した本だが、実はそんな日々大量のメールと格闘している皆さんに役立つノウハウがあふれた本でもある。

では、なぜ毎日のメールにうんざりしてしまうのか。量が多いということもあるが、読み手を疲れさせてしまうメールが多いからではないだろうか。典型的なのが、「文章が長い割に何を言っているか分からない」メールだ。この手のメールは、特に疲れる。つまり、量ではなく質に問題があり、読み方ではなく書き方の問題なのだ。

例えば、「長い」「途中に疑問点がたくさんある」「最終的に何を言っているのか分からない」、この3拍子が揃ったメールは、恐らく、最後まで読むことすら難しい。では、そんなメールを増やさないために、どういう書き方になっていれば、内容が「スッと入る」メールになるだろうか。著者は、

・そのメールは、読み手のことを理解しているか
・そのメールは、読み手にどんな価値があるか
・そのメールを読み終えた後、読み手にどうなって欲しいか

この3点について書き手が意識していれば、読み手にとってストレスのないメールができると言う。一方で、このメールを書くために何時間もかけているようでは、今度は書き手が疲れてしまう。最初は時間がかかってしまうかもしれないが、この書き方の原理原則を理解した上で何度も訓練していけば、相手に伝わるメールが書けるはずだ。

以下は、原理原則を実行する上で私が特に役立つと感じたテクニックだ。

・意見ではなく、問いを意識する
伝わる文章には、書き手のしっかりとした「意見」がある。そして、意見の裏には、必ず明確な「問い」がある。明確な問いを立てるために、自分で問いを立て、自分で答えを出す。これを繰り返していくことで、明確な意見を伝えることができる。そのためにも、まずは、自分の意見の裏に、どんな問いがあるのかを発見することが重要だ。

・メールを読んだ後の読み手の言葉をイメージする
メールを書く目的を具体化するために、読み終えた相手の言葉をイメージしてみる。例えば、「責任の重い仕事だと気が引き締まりました」と言って欲しいのか、または「面白そう!この仕事が楽しみになりました」と言って欲しいのか。読み手の読み終えた後の言葉を意識するだけで、書く内容は大きく違ってくる。

・正論ではなく具体的な施策を記載する
問題が起きた時に、正論を書きたくなる気持ちは分かる。しかし、相手にも理由があるので、正論を押しつけても問題は解決しない。自分の意見を一度忘れて、相手の立場で考えた上で、具体的な施策を考えて記載する必要がある。

どれも簡単にできることではないが、時間は有限だ。忙しい皆さんにとって、「スッと入る」メールを増やすために、まずは自分自身が方法論を学んでみる。そしてそれを周りのメンバーに伝えていくことで、メールを読むことにうんざりしない日が、少しずつ増えていくのではないだろうか。
 

『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
山田ズーニー  (著)
PHP研究所
660円(税込713円)

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