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「iPS細胞」が切り拓く未来~新たなビジョンと戦略とは

投稿日:2016/08/09更新日:2019/04/09

G1関西フォーラム2016
第2部全体会「iPS細胞が切り拓く日本 ~産学連携の新たな地平~」

山中伸弥教授によるiPS細胞発見以来、日本が世界を牽引する再生医療分野。2013年4月に「再生医療推進法」が成立するなど、実用化・製品化に向けた法的整備もされつつある。こうした動きを受け、武田薬品・ロート製薬などの民間企業も積極的に参入している。医療産業都市として最先端のメディカルクラスターを形成する神戸で、iPS分野のビジョンと戦略を描く。(肩書きは2016年6月4日登壇当時のもの)。

<動画冒頭をテキストでご紹介>

髙橋氏: 今日、私自身はiPS細胞のお話をするのですが、産学連携と医療ということを考えていただきたいと思います。
(モニターにiPS 細胞の映像)これがiPS、患者さんの皮膚から作った網膜の細胞です。不思議なことです。皮膚細胞が網膜の細胞になりました。これを我々が移植したということです。
iPS 細胞とES細胞、名前は聞いたことがあると思います。iPS とES細胞は、同じものですが、この2つを同じものと言うと怒る方もいらっしゃいます。なぜかというと、トヨタとマツダみたいなものです。どちらがどう怒るのかは知らないですが、一緒にしてくれるなと。自動車という意味では同じかなと。
ES細胞は、受精卵から少し育ったところで、赤ちゃんの体になる部分、こちらは胎盤になる部分ですが、それを取り出したものです。色々な細胞になる訳ですが、育ってくると色々な方向性が出てきます。ヤサぐれたり、良い子になったり色々で、育った細胞は元には戻らない。
ところが、iPS細胞は、大人になった細胞にたった3つか4つの遺伝子を入れるだけで、無垢な赤ちゃんに戻すことができるのです。いかにすごいことか分かりますよね。ヤサぐれてしまった大人も赤ちゃんに戻れるという技術です。
ES細胞とほとんど一緒ですから、体中のどんな細胞にもなれる。無限に増えるので、再生医療に使えると思われているわけです。今は非常に安全な作り方になっていて、進化がものすごく速い。
ES細胞とiPS 細胞がどうしてこんなに騒がれるかと言うと、医療の将来を担っていくからです。
今、医療は色々な薬や手術が出てきて、簡単に治る部分は全部治るようになっています。糖尿病で失明してしまう人の場合は、数千億円かけて10年以上かけて新しい薬を1つ作っても、0.数パーセントしか治りません。ところが、糖尿病のコントロールを良くして、血糖値を少し下げると、数十パーセントが良くなります。
つまり、治療の開発よりも予防医療が重要になってきます。それでも治らなかったら再生医療という風に、2つにだんだん分かれてきています。
その1つの再生医療を大量生産、産業化できる細胞として、非常に注目されている訳です。(この続きは動画でご覧ください)
 

 

  • 鍵本 忠尚

    株式会社ヘリオス 代表取締役社長 兼 CEO

  • 髙橋 政代

    株式会社ビジョンケア 代表取締役社長

    1986年、京都大学医学部卒業。1992年、京都大学大学院医学研究科博士課程(視覚病態学)修了。京都大学医学部助手を経て1995年にソーク研究所研究員となりここで網膜治療に幹細胞使用の可能性を見出す。2001年、京都大学医学部附属病院探索医療センター開発部助教授。2006年、理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター 網膜再生医療研究チーム チームリーダー。2012年より網膜再生医療研究開発プロジェクト プロジェクトリーダー。プロジェクトチームは、先端医療振興財団先端医療センター病院の栗本康夫眼科統括部長らとともに、2013年8月より滲出型加齢黄斑変性に対する自家iPS細胞由来網膜色素上皮シート移植に関する臨床研究を開始し、2014年9月には第一症例目の移植を行った。また、2017年3月には他家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞懸濁液による移植を行った。2019年8月より株式会社ビジョンケア代表取締役社長。専門は網膜変性疾患・黄斑部疾患と再生医療研究。目標は基礎と臨床の研究を積み重ね、両者を踏まえた網膜再生研究をすること。
  • 山田 邦雄

    ロート製薬株式会社 会長

    昭和54年3月 東京大学理学部物理学科卒業 昭和55年4月 ロート製薬株式会社入社。営業現場を経て、商品開発・マーケティング等に携わる。 平成2年 慶應義塾ビジネスMBA 平成3年6月 取締役就任、営業全般の指揮を取る。専務、副社長時代は海外への展開をはかり、中国、ベトナム等に進出。 平成11年6月 代表取締役社長就任。新規分野であった化粧品ビジネスへの大幅シフトをすすめ、主力事業に転換。米国メンソレータム社会長兼務。 平成21年6月 10年任期の予定通り53才で社長交代、代表取締役会長 兼 CEO就任。 現在に至る。

モデレーター

  • 御立 尚資

    京都大学経営管理大学院 特別教授

    京都大学文学部米文学科卒。ハーバード大学より経営学修士(MBA with High Distinction, Baker Scholar)を取得。日本航空株式会社を経て、1993年BCG入社。2005年から2015年まで日本代表、2006年から2013年までBCGグローバル経営会議メンバーを務める。
    京都大学経営管理大学院にて特別教授を務めながら、楽天グループ株式会社、DMG森精機株式会社、東京海上ホールディングス株式会社などでの社外取締役、ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン専務理事、大原美術館理事なども務めている。経済同友会副代表幹事(2013-2016)。
    著書に、日経BP『「ミライの兆し」の見つけ方』、東洋経済新報社『戦略「脳」を鍛える~BCG 流戦略発想の技術』、日本経済新聞出版社『経営思考の「補助線」』、日本経済新聞出版社『変化の時代、変わる力』、日本評論社『ビジネスゲームセオリー: 経営戦略をゲーム理論で考える』(共著)、日本経済新聞出版社 『ジオエコノミクスの世紀 G ゼロ後の日本が生き残る道』(共著)などがある。

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