コンプリートメッセージとは、ピラミッド構造をさらに拡大し、通常の「Whyのピラミッド構造」に「Howのピラミッド構造」を追加したものだ。「何をすべきか」「その理由は何か」「具体的にはどうするのか」をすべて盛り込んで説明したものといえる。たとえばコンサルタントが新施策を提言する際は、基本的にプレゼンテーションにこれらの要素がすべて盛り込まれている。
通常「Howのピラミッド構造」は、Whatが決まったあとに具体的に考えることが多い (ある程度同時並行的に考えることもある)。
「Howのピラミッド構造」を考えるにあたっては、頂上のWhatから見て、枠組みを意識しながらSo How?の質問をどんどん下のほうに投げかけていく。たとえば、Whatが「○○の目標達成に向けて部署横断的品質向上イニシアチブを行う」であれば、「体制」「時間」「費用配分」「関連部署への展開の仕方」などが具体的なやり方を考える上での枠組みの候補となるだろう。
プロジェクトの初期の方では「Whyのピラミッド構造」の方が重要となるケースが多いが、皆がその必要性を納得した後は「Howのピラミッド構造」の方が重要になることが多い。メッセージを伝える側は、そうした相手の状況や反応も意識したうえで、齟齬がないようにHowをバランスよく伝える必要があるのだ。
事例で確認――仕事を抱え込むマネジャーヘの伝え方
ある会社の部長Aさんは、このたび部下である課長のBさんとMBO(目標管理)を行います。 Bさんの部下から漏れ聞こえている声によると、Bさんは部下への仕事の割り振りに難があるようです。プレーヤー意識が強く、かつプレーヤーとして優秀だったがゆえに、どうしても自分でやったほうが早いということで、部下にあまり任せないのです。課そのもののトータルの業績は悪くはないのですが、それはプレーヤーとしてのBさんが支えているようなものです。
Bさんに、「もっとプレーヤーではなく、マネジャーとして行動するように。特に部下のアサインメントをうまく行えるように努力してほしい」ということを伝えないといけません。さて、どう伝えればいいでしょうか。
さまざまな伝え方があるでしょうが、Aさんが伝えた内容を図表に示しました。このケースでは、「Howのピラミッド構造」の大きな枠組みは「時間配分の変更(具体的にはプレーヤーとしての時間配分の上限設定)」「能力開発(具体的にはロールモデルの活用)」「部下とのコミュニケーション内容の変更(具体的にはやりがいやスキル向上実感を重視)」です。

Bさんに即座に聞いてもらえそうなのが今回挙げた3つだったと考えてください。必要に応じて、能力開発はさらにブレークダウンして「ロールモデルの活用」「体系的なマネジメントスキルの学習」としてもいいでしょう。
このくらい説明されれば、Bさんも納得感が高いのではないでしょうか。
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