堀 義人/グロービス経営大学院 学長
<100の行動17 ハードパワー2>
外交パワーを上げるために経済力・資源力を向上させよ!
日本はエネルギーや鉱物資源をほぼ輸入に頼っている。資源獲得戦略を練り実行することにより、他国に服従しなければならない事態は避けることはできる。資源を外交パワーとして使うことに関する5つの提言(肩書きは2015年4月のもの。視聴時間4分06秒)。
1. 強い経済力こそが国力の源泉である ―― 成長戦略を!
強い経済力を有する国は、国際社会からの関心、期待感があり、外交パワーが高まる。外貨や技術力等をいかにして他国に投資・融通・還元し、パワーに結びつけるかが重要になる。
2. 他国との経済の繋がりを外交パワーに繋げる ――先ず環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加を
TPPは、経済連携の遅れを挽回し、経済力を強化し、国際社会に「国を開く」という強い意思を示すことである。TPPを契機とした太平洋を囲む各国の経済連携が、日本のポジションを高める。
3. 官民一体となった資源外交の推進を!
資源外交において、日本は近隣諸国の後塵を排している。(1)「資源外交戦略会議」(仮称)の設置、(2) 首脳レベルでの積極的な資源外交の展開が必要になる。
4. 海洋資源大国日本を目指した資源開発の強化を!
日本の持つ排他的経済水域(EEZ)は国土の12倍、世界第6位の広さになる。これまでの調査で、各種エネルギーや鉱物資源が豊富に存在することが確認されている。これらに投資し、技術開発を進めるべきである。
5. 政府系ファンドによる戦略的な外貨準備の活用を!
日本は世界第2位の外貨準備を保有しているが、その運用は基本的に米国債へ投資に限られる。政府系ファンドの設立、外貨準備の運用方法の多角化が重要になる。