キャンペーン終了まで

割引情報をチェック!

MBA経営辞書「会計システム」

投稿日:2010/11/15更新日:2019/04/09

会計システム(Accountingsystem)

会計システムは、経理・財務会計という基礎インフラと、組織の生産性を高めるための管理会計にブレークダウンできる。

ベンチャー企業などでは、優先させるべきは経理・財務会計のほうだ。「どれだけ売上げが立っているのか」「どれだけ費用がかかっているのか」という数字がなくては、投資や人員採用などの意思決定を下しようがないからだ。

現実には、たとえば創業直後は、銀行口座の残高と受注残からのラフな数字で経営を進めなくてはならない局面も往々にしてある。しかし、ある程度事業の規模が大きくなってきたら、経理に明るい人間を採用し、財務数字を的確に把握できる体制を早期に構築すべきである。

経理・財務会計の仕組みができてきたら、次に管理会計の仕組みを構築していく。そのなかでも優先順位が高いのが、予算実績管理の仕組みづくりである。これにより、「行き当たりばったりの経営」を脱し、「計画的に行動し、計画と実績との乖離があれば原因を特定して修正できる体制」を構築できる。

多くの企業では、予算実績管理に当たって、いわゆる財務数字のみを用いる場合があるが、そうした財務数字にとらわれず、事業の意思決定を下す上で役に立つ重要業績指標(KPI:KeyPerformanceIndicator)を見極め、その目標と実績の管理を行うことも有効だ。具体的には、納期遵守率、不良品発生率、顧客訪問件数、既存顧客リピート率などである。これらは、極力業務プロセスに連動させながら設定し、時系列で測定しておくと、環境変化を見極めたり、問題解決に役立てやすい。

会計システムに関してよくある過ちは、事業サイドの要請がないにもかかわらず、複雑な「身の丈以上の仕組み」を導入しようとして経営資源を無駄遣いしてしまうことだ。流行の経営ツールに飛びついたり、徒にKPIを精緻化して数字の山に埋もれてしまうのではなく、本当に必要なものを見極めながら仕組みをつくる姿勢が求められる。

▼「MBA経営辞書」とは
グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約700語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。

  • 嶋田 毅

    グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長

    東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計150万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」の著者、プロデューサーも務める。著書に『グロービスMBAビジネス・ライティング』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 100の基本』(東洋経済新報社)、『[実況]ロジカルシンキング教室』『[実況』アカウンティング教室』『競争優位としての経営理念』(以上PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上グロービス電子出版)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』『MBA定量分析と意思決定』『グロービスMBAビジネスプラン』『ストーリーで学ぶマーケティング戦略の基本』(以上ダイヤモンド社)など。その他にも多数の単著、共著書、共訳書がある。
    グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、事業革新、管理会計、自社課題(アクションラーニング)などの講師を務める。グロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、さまざまなテーマで講演なども行っている。

サブスクリプション

学ぶ習慣が、
あなたを強くする

スキマ時間を使った動画学習で、効率的に仕事スキルをアップデート。

17,800本以上の
ビジネス動画が見放題

7日間の無料体験へ もっと詳細を見る

※ 期間内に自動更新を停止いただければ
料金は一切かかりません

利用者の97%以上から
好評価をいただきました

スマホを眺める5分
学びの時間に。

まずは7日間無料
体験してみよう!!

7日間の無料体験へ もっと詳細を見る

※ 期間内に自動更新を停止いただければ
料金は一切かかりません

新着記事

新着動画コース

10分以内の動画コース

再生回数の多い動画コース

コメントの多い動画コース