『ビジネスで成功する人は芸術を学んでいる』――アートのスキルでイノベーションを生み出そう
駐在員として海外で活躍している人に共通する能力の1つに、「取り巻く環境の違い」を正しく認識する能力がある。逆に、海外で結果を出せない人の多くは「できない・できなかった理由」に環境の違いを挙げる。海外で勤務する以上、環境が違うのは大前提だが、その事実と重要性に気づいていないために、的確なソリューションを打てていないのだろう。
成功するタイプの人は、「環境の違い」はすでに織り込み済みである。自分の慣れ親しんだ環境とは異なるので、一から学ぶことが最も重要だと知っている。だから、自分の判断・行動と能力の振り返りを行い、どのようにオリジナルプランを修正して、結果につなげていくかを考えることに時間を使う。環境の違いの分析にとどまらず、「新たな環境下で成功するために学習し続けること」に多くの時間を割くのだ。
一方、成功しないタイプの駐在員の思考力は、環境に要因を求めるので思考停止し、前進がない。知らず知らずのうちに、学習するということをおろそかにしている。
第1話で、「ストラテジック・イノベーション」でのイノベーションを成功させる3要素(忘却・借用・学習)をご紹介した。最初の2つはすでに取り上げたが、今回の事例は、最後の「学習」の重要性に繋がる。
学習を繰り返すことだけが成功への近道だとしたら、「多くの試行錯誤」という一見遠回りに見えるものが、1番の近道だということに気付くであろう。学習を高速で回すには、行動あるのみだ。行動してはいるがなかなか成果に繋がらない場合は、「ただ忙しくしているだけでは?」と問うてみるのもよい。
そもそもその行動が、すべき行動かどうかの判断も必要だ。must to doかどうかの判断を間違っている可能性があるので、その点の振り返りも効果があろう。戦略的にmust to doを見極めた上で実行をしている場合ばかりではないからだ。
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