デジタル変革の羅針盤となる基本ステップをマスターせよ

羅針盤今年9月発売の『一流ビジネススクールで教える デジタル・シフト戦略』から「デジタル変革の羅針盤を持つ」を紹介します。

何事にもそれを効果的に進めるうえでの典型的なステップがあります。ターゲット・マーケティングを例に挙げると、「環境分析による市場機会の発見」-「セグメンテーション」-「ターゲティング」-「ポジショニング」-「マーケティング・ミックス(4P)」といった具合です。こうしたステップは、対象が複雑なものになるほど、効果を発揮します。デジタル変革にも、12の要素(大項目4つ×各3つの要素)からなる基本的なステップがあります。これを羅針盤とすることで、より効果的にデジタル変革を進めることができるようになります。現在、デジタル変革のどのステップにいるかをまず確認した上で、どうすれば各ステップをしっかりクリアできるかを考えることが必要です。

(このシリーズは、グロービス経営大学院で教科書や副読本として使われている書籍から、ダイヤモンド社のご厚意により、厳選した項目を抜粋・転載するワンポイント学びコーナーです)

◇    ◇    ◇

デジタル変革の羅針盤を持つ

デジタル変革を進めるには、スティーブ・ジョブズやジェフ・ベゾスほどのビジョンやリーダーシップは必要ない。百戦錬磨の経営幹部であれば、業界の変革者になれるだけの基本的な能力をすでに身につけている。ただし、変革を推進していくためには、第Ⅰ部と第Ⅱ部で見てきたように、変革の道筋を定めるための新しい考え方や、ぶれないリーダーシップが必要になる。第Ⅲ部では、デジタルマスターから教訓を引き出し、デジタル変革の羅針盤としてまとめたものを紹介する。この羅針盤は、複雑な変革の道を進んでいくうえで役立つだろう。

羅針盤2

デジタル変革の課題を定義し設定しよう
デジタルによる機会と脅威を認識しよう。自社の出発点を知り、デジタルの熟達度を自己評価しよう。ビジョンを作り、ビジョンに対する経営チームの目線を確実にそろえよう。

投資の焦点を絞ろう
ビジョンを実行可能なロードマップに落とし込もう。縦割り組織を越えたガバナンス体制を作ろう。変革に向けて適切なものに投資しよう。

組織を動かそう
あなたが成し遂げたいこと、今求められる変化についてはっきりと示そう。変革の機運を作り出し、社員を巻き込もう。新しい行動原則を作り、より革新的な組織文化へ進化させよう。

変革を継続しよう
土台となる能力を身につけよう。報酬体系を整合させ、古くからある組織の壁を乗り越えよう。そして、変革の進捗を測定し、必要に応じて繰り返そう。

デジタル変革は決してまっすぐな道ではない。あなたは、もうデジタルに関する取り組みをいろいろと始めているかもしれない。その中で、さまざまな能力が必要になるかもしれないし、時には方向転換が必要になるかもしれない。そのようなときには、道標となるデジタル変革の羅針盤を使ってほしい。第Ⅲ部の各章では、デジタルマスターがデジタル変革を最大限に成功させるために、どんなことに取り組んだのかをたどっていく。

(本項担当翻訳者:木村純子 グロービス・コーポレート・エデュケーション部門シニアコンサルタント)

『一流ビジネススクールで教える デジタル・シフト戦略』
ジョージ・ウェスターマン、ディディエ・ボネ、アンドリュー・マカフィー (著)、グロービス (翻訳)、
ダイヤモンド社、3,024円

RELATED CONTENTS