終戦記念日に靖国神社への参拝を考える 

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〜このコラムは、「中国人の友達との徹底討論その1その2)」に対して、靖国神社への訪問反対などご意見いただいた方への回答という形で書いています〜

○○さん、コメントありがとうございます。m(__)m 

言論の自由があり、自分の考えを表明できる日本という国は、本当に良い国だと思います。今回、中国の友達と議論した結果わかったことは、中国では言論や報道の自由が制限されているということである。仮に僕らの考え方を理解したとしても、オープンな場では「理解できる」とは表明できないのである。

これでは、個人としては理解し合えるのですが、国としては理解し合うのは難しいのでは、と思います。日本においては、賛成・反対というようにオープンに議論ができるのですが、中国ではオープンな場では議論ができないから、総和としての相互理解の機会を失っているように思えます。

韓国においても同様です。こと対日問題になると言論の自由が制限されます。韓国の場合は、親日的な発言をする有名人はテレビから追放され、本は発禁処分となり、公的職場を追われます。また、反日的なスタンスをとると大統領の支持率が20%もアップします。このような状況では、社会的にオープンな場では、親日的な言動がとりにくく、残念ながら相互理解が促進しにくいと思います。

その上で、○○さんの「靖国神社への訪問反対」というご意見に対して簡単に僕の考えをお伝えします。

①靖国神社参拝の問題は、国家のために死んでいった方々との約束を守るかどうかの問題だと思います。「靖国神社で会いましょう」と書き残して、日本の礎となるべく死んでいった人々の魂を慰霊する必要はあるのではないかと思います。

②僕も、宗教に関係ない施設の設置には賛成します。これはやるべきだと思います。ただ、忘れてはいけないのは、日本の軍人は皆「靖国神社で会いましょう」と言って、日本の礎となって死んでいったのです。従い、彼らを勝手に違う場所に移転することは、約束を破ることになります。

③靖国問題には、宗教観が入ります。つまり、「霊魂の存在など関係ない。死んでいった人との約束など関係ない」、と言うのと「関係ある」、と言う意見の相違は、つきつめれば宗教観の違いにもなります。であれば、これは、信教の自由によって守られることになります。

「靖国神社に行くな」、というのは、たとえて言えば、「首相には信教の自由が無いのだから教会・神社に行っては行けない」と言われているようなものです。キリスト教の信者が、「イエスや神様なんて関係ないから、教会に行くな」と言われたら怒りますよね。首相もその心境だと思います。基本的に、何人たりとも、信教の自由は侵せないのです。

④僕は、信頼できる一個人の目撃談として聞いたのですが、首相が、特攻隊で死んでいった人々のことを思い、知覧で人知れず泣いたと言います。そのような方々の霊を慰めるために参拝することには、誰もとやかく言えないと思います。首相個人にも信教の自由があるからです。

⑤「アジア近隣諸国との関係を考えて、小泉首相に、靖国神社に参拝して欲しくない」、という意見には、理解できないです。それよりももっと重要なのは、何が正しいかを考えて、その信じていることを率直に伝え、意見交換をすることです。上記説明をして、コラム「中国人の友達との徹底討論(その1)靖国問題・東京裁判」に書いたことを説明して、理解できない人はいなかったです。

相互理解は、遠慮していては生まれないです。相互理解は、率直な意見のぶつかり合いによってのみ初めて生まれます。片方が意見も言わずに遠慮している状況では、相互理解は生まれないです。逆に、なめられたり、不信感を生み出したりします。

⑥いずれにせよ上記姿勢によって小泉首相は、近隣諸国との関係を悪化させていると言うが、そもそも信教の自由が保証されている国においては、その個人の宗教観が一番重要視されます。言論の自由があれば、当然さまざまな議論ができます。

信教や言論の自由が保障されている国、たとえばアメリカやイギリスでは、靖国神社への参拝はさほど問題にされていないです。双方の国も多大な犠牲を強いられていますが、基本的に、「この問題は、首相が個人として決めれば良い問題である」との姿勢です。

僕らも、その姿勢であるべきだと思います。何人であっても、信教の自由は侵せないので、首相個人の判断にゆだねるべきだと僕は思います。

僕も、この問題に対しては、米国政府と同様、「靖国神社には、首相が参拝したいという意思があるならば、個人として決めれば良い問題である」という姿勢です。

2005年8月15日
堀義人

 

京都大学工学部卒、ハーバード大学経営大学院修士課程修了(MBA)。住友商事株式会社を経て、1992年株式会社グロービス設立。1996年グロービス・キャピタル、1999年 エイパックス・グロービス・パートナーズ(現グロービス・キャピタル・パートナーズ)設立。2006年4月、グロービス経営大学院を開学。学長に就任する。若手起業家が集うYEO(Young Entrepreneur's Organization 現EO)日本初代会長、YEOアジア初代代表、世界経済フォーラム(WEF)が選んだNew Asian Leaders日本代表、米国ハーバード大学経営大学院アルムナイ・ボード(卒業生理事)等を歴任。現在、経済同友会幹事等を務める。2008年に日本版ダボス会議である「G1サミット」を創設。2011年3月大震災後に、復興支援プロジェクトKIBOWを立ち上げ、翌年一般財団法人KIBOWを組成し、理事長を務める。2013年6月より公益財団法人日本棋院理事。いばらき大使、水戸大使。著書に、『創造と変革の志士たちへ』(PHP研究所)、『吾人(ごじん)の任務』 (東洋経済新報社)、『人生の座標軸』(講談社)等がある。

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