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冬休みに読みたいおすすめ書籍3選――2022

投稿日:2022/12/21


グロービス経営大学院の教員がオススメする、冬休みに読みたい書籍を3冊ご紹介します。この年末年始は、改めて知りたいビジネスワードについて調べたり、今後のキャリアを考える時間を取ったりしてみては?前回の夏休み版はこちら

コーポレートガバナンスをドキュメンタリーで学ぶ


推薦者:嶋田 毅

本書は、LIXILグループの社長兼CEOの瀬戸欣哉氏が創業家出身(といっても持ち株は3%程度)の潮田洋一郎取締役会議長に予期しない形でその座を追われてから、およそ8カ月後の株主総会で復帰を果たすまでの経緯、人間物語を描いたドキュメントである。

瀬戸氏はあらゆるつてをたどり、「ガバナンスの健全性」を大義に周囲への説得を重ね、味方を増やしていく。そして最終的にはガバナンス意識の高い外資系のみならず、一部日系の機関投資家までも巻き込み、最終提案で株主提案(瀬戸氏側)が会社提案(潮田氏側)に薄氷の差で勝利を収める。

瀬戸氏側の視点で書かれているため、完全に客観的とは言えない部分もあるかもしれないが、幅広い取材に裏付けられており、日本のコーポレートガバナンスの課題と、それを健全化させるためのヒントを提示してくれている。

法律的、手続的な側面を理解する必要があるのと、多少厚い本のため最後まで読み通すのはやや大変ではあるが、非常に勉強になる1冊である。

決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月
著:秋場 大輔 発行日:2022/6/9 価格:1,870円 発行:‎文藝春秋

ワークデザインがライフデザインにつながる


推薦者:許勢 仁美

「いまあなたがもっとも優先したいことはなにか。」
「あなたの会社の独自性と呼べるような働き方を形づくるうえで、あなたができるもっとも有効な行動はなにか。」

ロンドン・ビジネス・スクールの経営学教授である著者のリンダ・グラットンは、世界的ベストセラーとなった前著『ライフ・シフト:100年時代の人生戦略』『ライフ・シフト2:100年時代の行動戦略』において、個人に向け、自分らしい人生の道筋を描くための羅針盤を示した。

本書はそんな前作に続き、組織に向けて、これからの時代の働き方をリデザイン(再設計)するプロセスと、考えを深めるためのフレームワーク(思考の枠組み)を、世界の様々な企業の事例とともに紹介している。なぜ働き方をリデザインする必要があるのだろうか?その答えは、コロナ禍を経た時代に選ばれる職場になるために、である。

本文中に紹介されるリデザインを実践するための4段階のプロセスはデザイン思考に近く、「働く場所」と「働く時間」の柔軟性について、いくつかのフレームワークが提示される。
一部を紹介すると例えば、職場の生産性を支える4つの要素「活力」「集中」「連携」「協力」を組み合わせて考えることで、より自社にフィットする働き方のデザインを検討することができるのだという。また、リデザインした働き方の検証という観点では、「未来」「テクノロジー」「公平と正義」といったキーワードが登場する。

本書を通して組織目線で働き方の検討を始めたわたしたちは、一人の社員として、個人として冒頭の問いに戻ることになる。
働き方は、自分たちでデザインできるものなのだ。新しい年のアクションにつながる一冊である。

リデザイン・ワーク 新しい働き方
著:リンダ・グラットン 翻訳:池村 千秋  発行日:2022/10/14 価格:2,090円 発行:‎東洋経済新報社

いま、大企業でこそ新規事業開発に取り組むために


推薦者:池田 章人

これまで15年間大企業を中心に組織開発を支援してきている立場から、2023年を迎える今、改めて意義がある一書としてお勧めしたい。

本書が出版された2019年当時には私も多くの大企業の新規事業開発支援をしていたが、その後Covid19の影響もあり、その勢いは減速していた。しかし今、その流れも戻りつつある。例えば新規事業開発の取り組みを、社内ビジネスコンテストを中心とする様々な手法で検討・再開している企業も多い。

再びの支援をする中で感じることは、著者の意見と同じく、「リソースにあふれる大企業だからこそ新規事業を積極的に取り組むべき」ということである。

一方で、大企業の新規事業開発を阻むポイントは2019年当時からあまりアップデートされていないように感じる。すなわち「既存事業の戦略立案と同じ思考法で新規事業を考えてしまっていること」また「大企業の確立された組織・システムに縛られて新規事業開発をしようとしまっていること」などだ。

新規事業開発の書籍には、スタートアップの思考法であるリーンスタートアップやそこに関連する思考法などのHowがクローズアップされたものが多い。しかし大企業の場合は前述のような、Howよりも前の、大企業内のリーダーシップや組織、システム、またテーマの方向づくりなど事業開発を開始する前の手立てが重要だ。この点、Howと共にその更に前の段階についても言及している本書の意義は大きい。

大企業で「新規事業開発をやりたい」という当事者はもとより、「新規事業開発の体制をつくりたい」という経営陣、新規事業開発の担当者まで幅広くこの書籍に触れていただき、自社のアップデートを一考するきっかけとしていただきたい。

新規事業の実践論
著者:麻生 要一 発行日:2019/12/6 価格:1,980円 発行元:NewsPicksパブリッシング

  • 嶋田 毅

    グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長

    東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計150万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」の著者、プロデューサーも務める。著書に『グロービスMBAビジネス・ライティング』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 100の基本』(東洋経済新報社)、『[実況]ロジカルシンキング教室』『[実況』アカウンティング教室』『競争優位としての経営理念』(以上PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上グロービス電子出版)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』『MBA定量分析と意思決定』『グロービスMBAビジネスプラン』『ストーリーで学ぶマーケティング戦略の基本』(以上ダイヤモンド社)など。その他にも多数の単著、共著書、共訳書がある。
    グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、事業革新、管理会計、自社課題(アクションラーニング)などの講師を務める。グロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、さまざまなテーマで講演なども行っている。

  • 許勢 仁美

    グロービス経営大学院 教員

    東京大学教育学部卒業、INSEAD Asian International Executive Program修了。アクセンチュア株式会社、国際協力機構(JICA-JOCV)を経て、グロービスに入社。一貫して、人、組織、地域(特に日本、ベトナムの農村)の能力開発に携わる。現在は、ファカルティ本部にて、各種企画業務を担う傍ら、「異文化マネジメント」などをテーマに、領域横断での研究・コンテンツ開発を担当している。グロービスマネジメントスクール、法人研修にてクリティカル・シンキング、ファシリテーション、女性リーダー育成プログラム等の講師を務める。

  • 池田 章人

    グロービス コーポレート エデュケーション マネージャー

    2006年よりグロービスに入社。コーポレート・ソリューション部門において、様々な企業に対して人・組織のコンサルティングに従事。 全社サクセッションプランの企画と実行支援/経営トップ直轄の組織開発の企画と実行支援/新規事業推進のための制度設計と事業提案へのアドバイス/研究所・営業部門などの機能別組織の強化 などのテーマに携わる。 自組織においてもマネージャーとして成果とモチベーションが両立する組織づくりを実践。 また、グロービスの人・組織の研究グループに所属し、講師としては主にリーダーシップなどのヒト系科目を中心に、思考系領域、経営戦略、個別企業のアクションラーニングなどを担当。

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