プレゼンの印象付けや効率化に最新技術を取り入れよ 

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『グロービスMBAで教えている プレゼンの技術』から「スライド以外の演出手段」を紹介します。

特にパワーポイントでプレゼンテーションの資料を作る際にまず意識すべきはスライドそのものの見やすさやストーリーの流れです。一般には、それに加えてプレゼンする人の見栄え・発声等のテクニックがプレゼンの大部分を占めます。しかし、それがすべてというわけではありません。ソフトや機器は日々進化しているので、それをどれだけ効果的に使えるかによっても、聴き手の印象は大きく変わります。

たとえば、20人程度にプレゼンをするのであれば、スライドの操作などはリモコンで行い、聴き手側に行ってアイコンタクトをしながら動き回るだけで相手との距離感は縮まり、効果も変わってきます。あるいは、「百聞は一見に如かず」のことわざ通り、実際の製品・サービスを利用しているシーンの動画を紹介することも非常に有効でしょう。世の中のプレゼンが進化しているのに、自分のやり方が旧態依然だと、内容は良くても聴き手へのアピール度合いが相対的に下がるという事態が起こりえるのが現代です。この分野でも、使える新技術はどんどん取り入れていくべきなのです。

(このシリーズは、グロービス経営大学院で教科書や副読本として使われている書籍から、ダイヤモンド社のご厚意により、厳選した項目を抜粋・転載するワンポイント学びコーナーです)

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印象に残す仕掛け

前節では、主にパワーポイントによる、テキストとグラフや表によるプレゼン資料の準備について解説しましたが、プレゼンの演出上使えるツールは他にもあります。

パワーポイントは、取引先への営業の提案や社内での企画稟議などのように、ある程度複雑で情報量も多いものをわかりやすく図示するときには強みを発揮しますが、プレゼンの目的はその種のものばかりとは限りません。たとえば、研ぎ澄ましたコンセプトを強烈に印象づけたい場合や、細かい話は抜きにして漠然と共感・好感を覚えてくれればよいという場合もあるでしょう。そんなときは、それに合った手段も検討してみましょう。

1.  映像・動画で視覚に訴える
先に、スライドのボディに安易に画像を使うと、そのスライドで言いたい本来のメッセージとは別の印象を与えてしまうので要注意という話をしました。これは決して画像は使ってはいけないという意味ではありません。ストーリー上のメッセージと画像が与える印象とのブレが問題なのであって、画像の醸し出す印象がストーリー上のメッセージに沿っているのであれば、積極的に使うべきとも言えます。最近では、プレゼン中に手軽な動作で動画を再生するのも容易になってきています。印象に残る度合いという意味では、画像や動画の力は強いです。目的に沿う素材があるのならば、ぜひ使ってみましょう。

2.  実物を出して、驚きと臨場感を出す
聴き手の印象に残る効果という面で画像・動画以上とも言えるのが、実物を出すことです。パソコンから動画が再生されるのは聴き手としても想定内ですが、話し手が実物を取り出すことには「ここで出てくるのか!」という驚きが伴うからです。故スティーブ・ジョブズ氏が新商品発表会で、iPod nanoをジーンズのコインポケットから取り出したり、Macbook Airを書類封筒から取り出したりといったシーンを見たことがある人も多いのではないでしょうか。

目的は、聴き手を驚かす(オッと思わせる)ところにありますので、プロジェクタの投影と思わせておいて、手書きの図や絵を描いた紙を出すなどもこの類いの仕掛けと言えます。

3.  BGMで場の空気を作り出す
プレゼンの最中に流すという場面は滅多にありませんが、不特定多数を対象としたセミナーなどで、プレゼンが始まる前や終了後、休憩中などにBGMを流すことはしばしばあります。後でも述べますが、場の空気を作る効果を狙ってのことです。

プレゼンを補助する機材

積極的に印象に残そうとする仕掛けとは別に、プレゼンを円滑に行うための機材や道具についても主なものに触れておきます。

1.  マイク
会場の広さや自分の地声との兼ね合いとなりますが、マイクを使うかどうかの判断がまず必要です。もし使うときはたとえばハウリングなどが起きないよう、調子を事前に確認しておいた方がよいでしょう。手を使ったジェスチャーを頻繁にやりたいのであれば、手持ちのマイクではなく、ピンマイクかヘッドセットを検討する必要もあります。その場合は、実際に話してみて声が拾われるかどうか、プレゼンの間じゅう本当に手が自由に動かせるかどうか、確認しておきましょう。

2.  ホワイトボードマーカー
プレゼン内で使う場合は、インク切れ、かすれがないか事前に確認しておくのはもちろんですが、赤や黄色などは光の反射の具合などで聴き手側から見にくくなる可能性もあるので、注意が必要です。

3.  レーザーポインター
スクリーンと話し手の立ち位置の間の距離が遠いときでも、レーザーの光によってスクリーンに映った文字等を指し示すことができるという機械です。もちろんこの目的で使う分には便利なのですが、ときおり、スクリーンがそれほど離れていない場合や、会場が明るくてレーザーの光が見えにくい場合などでも使っているところを見かけます。これではあまり効果的とは言えません。使う必要性があるかどうか見極めが大切です。なお、仕組みはシンプルな機械ですが、手元が揺れると光も揺れて、どこを指しているのかわかりにくくなったりしますので、スマートに使いこなせるよう練習しておきましょう。

4.  パワーポイント用リモコン
パワーポイントのスライドショーで、ページ送りやアニメを動かす合図などを、パソコンから離れて操作するためのリモコンです。従来は、スライドショーを行うとすると、誰かがパソコンについてキーを押す作業をしなければならず、話し手自身がその都度パソコン前に立つか、アシスタントを置くにしてもその都度合図を送るなどしていました。リモコンのおかげで、話し手が一人で自由に聴き手の前を歩いたり、ジェスチャーをしたりしながら、スライドショーの操作をすることが可能になりました。会場の様子や、想定しているプレゼン中の動きとの兼ね合いですが、使用を検討しておきたいアイテムです。

(本項担当執筆者:書籍・GLOBIS知見録編集部 研究員 大島一樹)


『グロービスMBAで教えている プレゼンの技術』
グロービス経営大学院  (著)
1800円(税込1944円)
 

東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計150万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」の著者、プロデューサーも務める。著書に『グロービスMBAビジネス・ライティング』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 100の基本』(東洋経済新報社)、『[実況]ロジカルシンキング教室』『[実況』アカウンティング教室』『競争優位としての経営理念』(以上PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上グロービス電子出版)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』『MBA定量分析と意思決定』『グロービスMBAビジネスプラン』『ストーリーで学ぶマーケティング戦略の基本』(以上ダイヤモンド社)など。その他にも多数の単著、共著書、共訳書がある。
グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、事業革新、管理会計、自社課題(アクションラーニング)などの講師を務める。グロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、さまざまなテーマで講演なども行っている。

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