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【2017年への提言】求む!アジアの乱を起こす暴れん坊駐在員(高橋亨)

投稿日:2016/12/27更新日:2019/04/09

2017年はどのような年になるのか、どのような年にしたいのか――。グロービス/グロービス経営大学院のリーダー陣10人が、それぞれの視点から展望と提言を語る。(企画・構成: 水野博泰=GLOBIS知見録「読む」編集長)

昨年、「日系現地法人、アジアの乱」を予測した。アジアの日系現地法人が、本国本社の指示や承認に甘んじるのではなく、現地だからこそできる独自の判断と戦略を頑として主張し、行動に移す。2016年はそんな年になると。

残念ながら予測が的中したとは言い難い。「乱」を起こす臨界点を超えるためには、変革のフロントラインで暴れてみたいというハチャメチャ人材がもっともっと必要だ。

シンガポールとタイを拠点にアジアを飛び回っている立場で見えている風景を3つのキーワードに凝縮すると、「社会への貢献意識」「コラボレーション」「オポチュニティ」である。

タイ、インド、インドネシア、ベトナム…アジアの若者を見ていると、自分の国やアジアをより良いものにしていこうという「社会への貢献意識」が高まっているのをひしひしと感じる。これは、グロービスで言う「志(こころざし)」という感覚に近く、日本人にとってとても親和性が高い。そして、彼らは様々な人や組織と「コラボレーション」することの重要性を良く理解しており、コラボレーションによって活動を大きなムーブメントにすることに一所懸命である。そのために、語学をはじめ自分自身の能力開発にも極めて貪欲だ。また、「オポチュニティ」に対する感度が高く、人との出会いや、ネットワークの場にどんどん入って行く。成し遂げたい夢があり、アイデアを持つ者にとっては、様々な「オポチュニティ」が山とあるのだ。

そんな環境で思いっきり暴れてみたい者よ、来たれ!

日本の本社の中で窮屈な思いをしている者はいないか。もっと大きなフィールドででかいことを成し遂げたいと願う者はいないか。アジアにはチャンスがある。アジアでは繋がる。アジアには世界一の多様性がある。こうした環境で生き生きと活躍する日本人の姿がもっともっとあっていいはずだ。アジアには日本からのチャレンジャーがまだ足らない。

企業の経営企画や人事部門の方々に3つのお願いがある。

(1) 貴社のアジア拠点における「現場」を訪ねてほしい。実際に商談に加わってみてほしい。ビジネスの空気を味わってほしい。
(2) アジアの若者と語り合ってほしい。企業と学生たちとの協業について知ってほしい。彼らが何を目指し、何を学んでいるのかを聞いてほしい。
(3) アジアで活発に行われている産学官の連携の様子を見てほしい。アジアのダイナミックな鼓動を感じてほしい。

そして、生きのいい暴れん坊駐在員をもっとアジアに送り込んでいただきたい。

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