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変革人材に求められるメンタリティ: 組織の軋轢に負けるな!

投稿日:2015/07/25更新日:2019/04/09

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このシリーズは、グロービス経営大学院で教科書や副読本として使われている書籍から、重要パートを厳選して、抜粋掲載していく、ワンポイント学びコーナー。今回は、『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』の「組織変革・事業再生」章から「変革人材に求められるメンタリティ」をピックアップします。

変革の中でも特に変化創出は、組織の中での軋轢が生じやすいものです。経営の状況がかなり悪化していても、表面上はそのことに気づかなかったり、危機感をもって意識しないですんだりすることが多いからです。だからこそ、現実をしっかり見据えて、見えない壁を乗り越えて変化創出を実現できるエネルギーが変革人材には必要なのです。高い志や当事者意識の強さが求められます。具体的には、以下の4つのメンタリティです。あなたは、いかがですか?

(1)安易に現状に満足せず、変化することのリスクを過度に恐れない
(2)容易にあきらめない粘り強さ、目標実現のための柔軟性がある
(3)軸となるビジョンや価値観を持っている
(4)携わる事業に対して、強い当事者意識を持っている

【POINT】
変化創出を実現していくために、変革人材には4つのスキルと同時に、4つのメンタリティも求められる。メンタリティとは、「心のあり方」「心理状態」「心的傾向」のことで、スキルの源とも言えるものである。

◆変革人材に必要な4つのメンタリティ

メンタリティとは「心のあり方」であり、「心理状態」「心的傾向」とも訳される。前項で変革人材に求められるスキルについて説明したが、メンタリティはその源とも言える、心の姿勢である。

変革人材には、以下の4つのメンタリティが求められる。これらのメンタリティを持つことは、スキル発揮の前提条件になると同時に変革人材が変化創出を実現していく際の原動力ともなるものである。とりわけ、自らが携わる事業に対しての強い当事者意識こそが、すべてのベースになると考える。

(1)安易に現状に満足せず、変化することのリスクを過度に恐れない
現状に満足して安住することなく、常に現状を客観的に見つめて、改良点、不足点を見つけ出し、より良い方向に変化していこうとするポジティブなメンタリティが変革人材には求められる。

現状に安易に満足するようでは、個人としても組織としても成長は望めない。変化することに対してリスク許容度を大きく持ち、変化を恐れることなく、自ら主体的にリスクをとって成長を追い求める姿勢が不可欠である。

(2)容易にあきらめない粘り強さ、目標実現のための柔軟性がある
変化創出は変化適応や再生と異なり、強力な外圧により進められるものではなく、基本的には内部人材の自主的な力によって推進されるものだ。そのため、ややもすると変革リーダーやチームメンバーと、抵抗勢力との間に軋轢が生じてしまう。そこで変革人材にはコミュニケーションカが求められるわけだが、それは単なる対話力ではなく、相手に納得させ、共に行動することを動機づける説得力である。その根底には、周囲の反対に簡単に屈しない、絶対にあきらめないという、粘り強い意志の力がなくてはならない。

また、最終的に変化創出を達成していくためには、きれいごとだけでは片づけられないことも多い。時には権謀術数的な手段をとり、痛みを伴いながら大きな目標を達成していく柔軟性、言い換えれば割り切りも求められる。

(3)自分の軸となるビジョンや価値観を持っている
変化創出とは、「既存のものから異なるものを生み出す」、もしくは「まったく違うものに置き換える」ことである。ただし、変化創出ですべてが変わるわけではなく、変えずに守るべきものもある。それは企業レベルでは経営理念であり、最終的な判断のよりどころとなる価値観である。

変革人材にしても、変化創出を強力に推進するためには、自らの生き方や仕事観、判断の基準としている価値観を明確に認識することが求められる。心の中にそうした確固たるよりどころがあることで、周りを巻き込んで変革を進める際の判断や行動にぶれがなくなり、結果として周囲の信頼や影響力を高めることにもつながるのである。

(4)自分が携わる事業に対して、強い当事者意識を持っている
これまで述べたような、変革人材に求められるスキルおよびメンタリティの、いちばん根本になるものは何であろうか。クロービスでは、変革人材に求められる最も大事なメンタリティは、自分が携わる事業に対して、あるいはプロジェクトに対して、どれだけ全身全霊をかけてコミットメントができているか、当事者意識を持っているかだと考えている。

自らが携わる事業を通じて社会に価値を提供して貢献し、自己実現したいという、湧き出る熱望や動機が、そうした当事者意識を醸成する原動力になる。すべてのメンタリティやスキル、そして変革実行を推進していく力のベースには、この強烈な当事者意識の存在が不可欠である。

(本項担当執筆者:平井達也 グロービス・ファカルティ本部研究員)

変革人材のマインド

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次回は、『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』の「アントレプレナーシップ」から「ソーシャル・アントレプレナー」を紹介します。

ダイヤモンド社のご厚意により、厳選した項目を抜粋・転載しています)

 

グロービス出版

  • 嶋田 毅

    グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長

    東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計150万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」の著者、プロデューサーも務める。著書に『グロービスMBAビジネス・ライティング』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 100の基本』(東洋経済新報社)、『[実況]ロジカルシンキング教室』『[実況』アカウンティング教室』『競争優位としての経営理念』(以上PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上グロービス電子出版)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』『MBA定量分析と意思決定』『グロービスMBAビジネスプラン』『ストーリーで学ぶマーケティング戦略の基本』(以上ダイヤモンド社)など。その他にも多数の単著、共著書、共訳書がある。
    グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、事業革新、管理会計、自社課題(アクションラーニング)などの講師を務める。グロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、さまざまなテーマで講演なども行っている。

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