カルチャー学派(Cultural school)
ヘンリー・ミンツバーグが類別した10の学派の1つ。記述的(descriptive)な学派であり、戦略形成は文化に根差した社会的プロセスであると考える。そこでは共通の利益や統合に価値が置かれる。
カルチャー学派は、70年代にはすでに萌芽が見られていたが、米国で注目を浴びるのは主に80年代以降である。そのきっかけとなったのは、当時の日本企業の成功である。日本企業の戦略形成においては文化が強い役割を果たしているという発見、あるいは、欧米の企業においても、文化が戦略の形成に影響を与えることがあるという発見が、この学派の進展に一役買った。なお、カルチャー学派はパワー学派の対立概念に近いものとして語られるケースもある。
カルチャー学派の弱点としては、議論が捉えどころのないものになりがちなこと、戦略立案と言う意味で、結局何をしていいかの示唆が弱いことがある。