好意(Liking)
チャルディーニが示した影響力の原理のうちの1つ。自分が好意を感じている人の要求は受け入れやすいという単純な原理である。好意を感じさせるのは以下の5つのタイプとされる。
1.才能、知性などを感じさせる身体的魅力を持つ人
2.自分と類似性のある人
3.自分への称賛を与える人
4.互いに協力し成功させたなどの親密性を感じる人
5.好ましい事象と自分を結び付けている人
ポイントは、魅力や親密さといった一般的に好意と結びつきやすい要素のみならず、「自分と似たところがある」「しばしば見かける」程度の事柄でも心理的には効くという点だ。たとえば、経営者が工場を訪問する場合、現場の作業員と同じ服装をすることがある。これは服装によって類似性を演出し、好意を形成する行動である。腕の立つ営業担当者ならば、初対面の人でも会って数分以内に5、6以上の共通点を探り出し、親密さを感じさせて商談を有利に進めようとする。
また、何度も足を運んでくれる営業担当者に好感を抱くのは、単純に接触回数が増えることで親密性を感じるようになるからだ。これを単純接触効果という。