失業率(Unemploymentrate)
失業者数を労働力人口で割った値。総務省が毎月下旬、全国の約4万世帯、約10万人を対象に実施する労働力調査から推計している。労働力人口(満15歳以上で働く意志を持つ人)は、就業者と完全失業者に分けられる。このうち完全失業者は、1.調査期間である月末の1週間に収入を得る仕事をしていない人、2.調査期間中に求職活動をしていたり、過去の求職活動の結果を待っている人、3.仕事があればすぐそれに就く人を指す。
失業率は一般に、景気拡大時に低下し、景気後退時に上昇する。景気拡大時には、需要が増大して企業における雇用機会も増大するので、失業率は低下する。
失業率は、物価と関係があることも知られている。縦軸にインフレ率(物価上昇率)、横軸に失業率をとってプロットを行うと、右下がりの曲線となる。これをフィリップス曲線と言う。
失業率の動向は個人消費をはじめ景気全体に影響を及ぼすので、政治的にも重視される。特に欧米では移民問題なども絡んで複雑な問題となる。国によっては、ワークシェアリングなどの施策を導入することで失業者対策をする場合もある。
日本の失業率は伝統的に欧米に比べて低いが、昨今ではその雇用の質(正社員と派遣社員のギャップ等)が問題視されるようになってきている。
なお、人材流動化の時代においては、失業率はゼロになりにくい。転職者が次の職場に移るまでに無職の期間が生じることがあるからだ。したがって、失業率がゼロになることが必ずしも望ましい状態であるとは限らない点に留意したい。
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