思いつきや直感、これまでの成功体験に頼って仕事をしていませんか?
会議でプレゼンをすると常に突っ込みが入る、企画書の意図を理解してもらえない…そんな経験、ありませんか?「時間がなかった」「現場を知らない人が参加していた」など、理由はいくらでも挙げられますが、一番の理由は「自分が課題について十分に検証していなかった」からかもしれません。そんな自分の思考の癖に気付き改善していくための手法が、「クリティカル・シンキング」です。どのようなスキルが身に付くのか、グロービス経営大学院で「クリティカル・シンキング」の授業を担当する岩越祥晃講師に聞いてみました。
編集部: クリティカル・シンキングとは何か、ひとことで言うと?
岩越講師: 読んで字のごとくですが、「自分の思考に対して、批判的な視点を持つこと」です。敢えて、「ロジカル・シンキング」とグロービスで呼んでいないのは、「ピラミッド・ストラクチャー」や「MECEに分解する」といった論理思考の技術を学ぶだけではなく、自分の考えを常に客観視するマインドも、合わせて身に付けてもらいたいという意図があってのことです。
編集部: 具体的に例を挙げて教えてください
岩越講師: 「批判的な視点を持つ」とは、例えば、頭の中に何か考えや意見が浮かんだら、常に「なぜそう言えるのか?」「本当にそう言えるのか?」「他の意見は考えられないか?」「具体的には?」「例えば?」といった問いを常に自分に投げ掛けるとも言い換えられます。思いつきや直感、これまでの成功体験だけに頼って仕事を進めるのではなく、何か頭に浮かんだら、その内容の妥当性をチェックする癖を付けることが大切です。
編集部: どうやって身につければよいのですか?
岩越講師: 最大のハードルは、自分の考えや意見に対して、厳しくチェックすることができない点です。人は誰しも自分には甘いのです。いくら論理思考の書籍を読んで、その概念や技術を頭の中にインプットしても、なかなか実務で使えるようにならないのはこうした理由があるからです。そのため、クリティカル・シンキングを身につけるために必要なことのひとつは、他者からのフィードバックを受けることになります。例えばグロービスのクラスでは、同じ課題に参加者全員で取り組み、相互フィードバックやグループワークを行っています。こうした営みを通じて、自分の思考の癖や苦手なポイントを把握することが、クリティカル・シンキングを身につけるための第一歩になると思います。
編集部: 実際の活用例を教えてください
岩越講師: ビジネスのあらゆる場面で役に立つはずです。例えば、メールや報告書・プレゼン資料・稟議書の作成、社内外の打ち合わせや会議、クレームに対する原因調査や対応策の検討、来期のアクションプランを策定、などなど。クリティカル・シンキングは、「何かを考える」際に常に意識すべきマインドと用いるべき思考技術がセットになったものなのです。
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