インストアシェア(In-storeshare)
取引先における自社商品の販売金額(数量)を取引先の総販売金額(数量)で割ったシェア。特定の取引先(あるいは店舗)における自社商品の相対的地位を示す。対チャネル戦略立案時に用いられることが多い。
一般に、この指標が高いと、取引先内における自社商品の競争力が、競合商品よりも優っていると考えられる。とくに、ある店舗や小売企業において、市場シェアよりも高いインストアシェアを獲得している場合は、その取引先と良好な関係が築かれている、店頭で行われているセールス・プロモーションが有効であると判断できる。逆に、ある取引先において、店全体の売上げが低下しているわけでもないのに、自社商品の営業成績が伸び悩んでいる場合、自社商品のインストアシェアと市場全体のシェアとを比べて、前者が後者よりも明らかに低いときには、現在行っているセールス・プロモーションに問題があることを意味する。
インストアシェアを高めるため、現状のセールス・プロモーションにおける問題点と販売強化をすべき商品を特定した上で、新たなマーケティング活動を展開していく必要がある。とくに、競合商品と比較して、品揃え、エンド売場(定番売場以外の売場で、店舗内の比較的目立つスペースを利用して商品が山積みされている売場)におけるプロモーション頻度、店内チラシなどの店舗キャンペーン頻度などが十分かどうかを点検する必要がある。また、スペースシェア(店舗内での売場占有率)を高めることも有効である。
なお、一般に、販売価格が比較的低い商品の方が、インストアシェアを短期間に高めやすいとされる。
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