チキンゲーム(chickengame)
さっさとその勝負から降りてしまったほうが、失う(あるいは得られる)利得を考えればはるかに得であるにもかかわらず、つまらない見栄や意地にこだわって、時として悲劇的な結果を招くことがあるようなゲームや取引。
チキンゲームの典型は、映画でもお馴染の次のようなシーンだ。2人のバイクに乗った人間が、崖、もしくは壁に向かって疾走する。なるべく崖や壁に近いところまでブレーキを我慢できた方が勝ち(言いかえれば、先にブレーキをかけた方が負け)、というものだ。
勝ったほうは、「臆病ではない」「根性がある」という名誉を仲間内で得ることができるが、一歩間違えれば、極めて悲劇的な結果を招く。
チキンゲームは、ビジネスでもしばしばおこる。「ライバルより先にこの事業を閉じてしまうのはみっともない」「相手が撤退するまでは意地でも事業を続ける」といったケースだ。
人間はメンツを重んじる動物であるため、往々にして、合理的に考えた場合の利得よりも、目の前のメンツが大事に見えてしまうものだ。しかし、目の前のちっぽけなメンツと、最終的に得られる可能性のあるリターンを、冷静に見極めることが必要である。
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