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ポジショントークとは?意味・問題点を例で解説【日常での使い方、金融機関での使われ方】

投稿日:2010/11/17更新日:2023/06/27

ポジショントークとは

ポジショントークとは、主張やポリシーに一貫性がなく、その時々で、自分(の立場)に都合がいいような発言をしてしまうことです。

金融におけるポジショントーク

「ポジショントーク」という言葉にはいくつかの用法があり、たとえば金融の世界では、「株式市場や為替市場、金利先物市場において、買い持ちや売り持ちのポジションを保有している著名な市場関係者が、マスメディア・媒体などを通して情報を流したり発言をしたりして市場心理を揺さぶり、自らに有利な方向に相場が動くように仕向けること」といった別の意味でも使われます。

日常生活におけるポジショントークの問題点

自分に都合がいい発言をしていると思われると、「ダブルスタンダード(二重基準)」と判断され、「信用ならない相手」との烙印を押されかねません。これではビジネスリーダーとしては失格です。

現実的には、全く別の場でポジショントークをする分には、同時にそれを目にする人はまずいないでしょうから、それほど大きな問題にはならないかもしれません。しかし、相手が同じ人間や組織の場合には、不用意にこうした発言をしていると、第3回で紹介した「ブーメラン」となって自分に跳ね返ってくることもあります。

ポジショントークの例

日常生活に起こりうるポジショントークの例を見ていきましょう。以下のAさんの問題点は何でしょうか。

職場にてAさんは、自身が手配した商品の配送に関するクレームの電話を受けながら、こんなことを言っていました。

A「・・・大変ご迷惑をおかけして申し訳ございません。ただ、お客様のおっしゃられることは本当によく分かるのですが、何分、我々も人員等が限られており、なかなかすべてのお客様に対して納期通りに商品をお届けするのは難しい状況でございます。・・・はい、申し訳なく思っています。しかし、物理的に本当に不可能なのでございます。ご迷惑をおかけしていることは重々承知しておりますし、本当に申し訳なく思いますが、ぜひご理解いただきたく・・・」

またある時、患者として訪れた病院の待合室でAさんはこんなことを言っていました。

A「おーい、いつまで待たせるんだよ。朝から待っているのに、もう予約時刻を1時間も越えている。病院とはいえ、患者はお客様だろう。ちゃんとキャパシティコントロールして、客を待たせないようにしてよ」

Aさんのポジショントークの問題点

このケースのAさんは、供給者側の立場に立った時は、供給が滞ってしまったことについて必死に言い訳しています。あくまで供給者の論理での発言です。ところが、いざ自分が需要者側の立場に立って待たされてしまうと、一転して供給者を責める発言をしています。もし、偶然に両方の場に居合わせた人がいたら、「Aさんも都合いいこと言っているなあ」と思うことでしょう。

ポジショントークの起きやすい状況

ちなみに、こうした状況が起きやすいパターンとしては以下があります。

  • 相手には義務の履行を強く求めるが、自分は義務の履行に熱心ではない
  • 自分の権利は強く主張するが、相手の権利主張には無頓着
  • 自分の価値観は尊重してほしいが、相手の価値観には鈍感
  • 自分の感情やプライドには配慮してほしいが、相手の感情やプライドにはあまり配慮しない

昨今では、ブログやツイッターといった、不特定多数の人々相手に発信するメディアが発達しています。実際にそこで書き込みをされている方も多いでしょう。これは、とりもなおさず、ポジショントーク、あるいは、ダブルスタンダードだ、という批判を招きやすい状況を生み出し易くします。特に、ツイッターなどは、その簡易さゆえ、深い思慮なく不用意な書き込みをしてしまう危険性が低くありません。注意したいものです。

ポジショントークとの付き合い方

ところで、ポジショントークは、極端なものは前述のように自身の評判を下げてしまいますが、神でもない以上、完璧にそこから逃れることはできません。人間の考え方は時を経るとともに変わりますし、世の中をサバイブするために、自分を都合の良い立場に置こうとするのは、むしろ生物的には、より本能的に正しい行動と言えるかもしれないのです。また、過度に一貫性にこだわることは、交渉術でもおなじみの「フット・イン・ザ・ドア」テクニックに引っ掛かりやすくなることにもつながります。

筆者は、人間は自分の立場から完全に自由になることはできないし、その必要もないと考えます。必要なのは、ある程度確立した「立ち位置」を明確にとった上で、同時に客観的に自分を見つめ、「信用」というビジネスリーダーにとって最大の資産の1つを極大化する——そうしたバランス感覚なのです。

<真のリーダーに成長したい人には>

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