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プレゼン編

投稿日:2009/02/20更新日:2019/04/09

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失敗の本質を探ることで、自分に足りないスキルが見えてくる。プロフェッショナルになる上で不可欠なビジネススキルを、3つのトレーニングを通して習得していく連載企画。第1回目となる今回は、グロービス経営大学院の山口英彦氏が、プレゼン力を高める秘策を紹介する。(このコラムは、@type「コンサルタントの転職@type 」に掲載された内容をGLOBIS.JPの読者向けに再掲載したものです)

■プレゼンの基本

1. 目的と目指す姿を押さえる

2. 聞き手の状況を押さえる

3. 伝える中身と伝え方を考える

プレゼンテーションというと、大勢の人前に立ってパワーポイントを使いながら話すものという印象があるが、「グロービスでは“自分の信じる方向に相手を動かすためのコミュニケーション”と定義している」と山口英彦氏。これは「周囲の人を巻き込んで成果を出すための技術」と言い換えてもいい。よって、顧客との1対1の商談や上司への提案なども、プレゼンテーションととらえることができる。

プレゼン上達のために、話し方や身ぶり手ぶりなどの「How」に目を向ける人が多いが、本当に重要なのは何を伝えるかという「What」の部分。そこに重点を置き、よくある失敗事例を踏まえて自分に足りない力を伸ばすためのトレーニング方法を紹介しよう。

training.1エレベーター・テスト

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症状:相手にうまく伝わらない 時間が足りなくなる

トラブルに対応できない

効果:論理を構造化する力を鍛える

1. 顧客のキーパーソンと同じエレベーターに乗り合わせたと想定

2. 1階に到着するまでの20秒間で顧客を説得できるか、上司や同僚を相手にプレゼンテーションしてみる

3. まずは「結論」を簡潔かつ明確に話す

4. 聞き手に「なぜ?」と聞かれたら、その根拠を即座に答えられるようにしておく

プレゼンの失敗で最も多いのが“自分の話が相手にうまく伝わらなかった”というもの。いくら説明しても相手が首をかしげる、といった状況を経験したことのある人は多いはずだ。時間が足りなくなったり、PCの不具合などのトラブルに対応できず、予定していた内容を話すことができなかったというケースもよくある。

「こうした場合、伝え方(How)が悪かったのだと思いがちですが、実は伝える中身(What)が十分に定まっていないのが原因なのです。それさえはっきりしていれば、たとえ現場でパワーポイントが動かなくなっても『PCの調子が悪いので、ホワイトボードを使ってご説明します』と即座に対応できるはずです」

伝える中身を明確化するためのトレーニングとして有効なのが、20秒間で自分の考えを相手に伝える「エレベーター・テスト」。慣れていないと、結論に至る経緯から背景まであれこれ説明しようとして、結局何が言いたいのか分からない、ということになってしまう。時間が限られているので、まずは「結論」を簡潔に説明することが何より重要。これを繰り返すうち、自分が一番伝えたいことが何なのかがクリアになってくる。

training.2紙芝居トレーニング

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症状:具体的な成果が出ない

効果:ストーリーラインの設計力を高める

1. パワーポイントの資料を準備する際、図版やグラフを省き、伝えたいメッセージだけを残した「空パッケージ」を作成

2. 紙をめくりながらメッセージだけを読み上げていき、自分が伝えたいことを聞き手が理解できるか確認する

プレゼンは好評だったのに、なぜか企画が通らない。プレゼン中級者には、こうした“話はうまいのに具体的な成果につながらない”という悩みを抱える人が少なくない。

失敗の原因は、プレゼンをする目的と、聞き手を導くための戦略の練り方が弱いことにある。いくら論理的に筋の通った話をしても、相手の関心や利害に反していれば、人は動かせず、成果も出せない。そこで、聞き手を分析する力と、問題解決プロセスを応用したストーリーラインの設計力が必要となる。

「相手が問題解決を考える上で、どんな疑問を持つかを常にイメージすること。聞き手はプレゼン中に『その解決策がなぜほかの案より優れているのか?』などといった疑問を必ず抱く。それに対する答えをストーリーに反映させないと、相手を納得させることはできません」

聞き手の考え方を知るには、他人のプレゼンを聞いて、自分がどんな疑問を覚えたかフィードバックする練習をするとよい。また、「空パッケージによる紙芝居」も有効なトレーニング。簡潔なメッセージだけで相手に理解してもらう訓練をすることで、聞き手重視のプレゼンを設計する力が養われる。

training.3長所探しトレーニング

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症状:相手との関係が深まらない 大きな仕事を任せてくれない

効果:共感と信頼を醸成する力を養う

1.会話をする相手の良いところを探す

2.その良いところを褒めるところから会話を始める(例:相手が自分と異なる考えをぶつけてきたときも、まずは「そのアイデアは確かに合理的だよね」と褒める)

3.まずは「結論」を簡潔かつ明確に話す

4.相手に対して意見や反論があるときは、褒めた後に続ける

コンサルタントにとって、最終的な目的は顧客のパートナーになること。ところが実際は、小さな仕事はもらえるものの、いつまでたっても会社全体の経営にかかわるような仕事を任されないことも多い。これは、顧客と信頼関係を築けていないことを意味する。

「このケースは、プレゼンの場で聞き手と勝負していることが多い。特にコンサルタントは、論理で相手を説き伏せようとしがち。言っていることは正論でも、それでは相手の信頼を得られない。必要なのは、相手を共感に導くアプローチなのです」

そこで重要なのが、聞き手をリスペクトする姿勢だ。厳しい質問をされたときも、自分なりの仮説を述べた上で、決して身構えずに「皆さんの知恵を拝借しながら、良い案を作っていきたい」と相手を立てる。その方が相手も「信頼できる人間だ」という印象を持つものだ。

こうした対応を自然にできるようになるには、日ごろから相手の良いところを探して褒めるコミュニケーションを心掛けるとよい。特に自分に対して厳しいことを言う人や、相性が悪いと感じている人こそ格好の練習相手になると考え、積極的に話す努力をしてみよう。

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