2015年3月20~22日の3日間、宮城件・仙台市において「G1サミット」が開催される。2009年に初めて開催され、今年で第7回目。“日本版ダボス会議”の名にふさわしい各界トップリーダーが集う一大ネットワークに成長した。今年のテーマは「100の行動から始まる静かな革命」。初回から全て参加してきた秋山咲恵サキコーポレーション社長に、G1サミット2015の意義を聞いた。
第6回G1サミットより(2014年3月開催)
編集部: G1サミットは今年で7回目。どのように変わってきたのですか。
秋山咲恵氏(以後、敬称略): 「世代としての責任を果たしていこう、将来責任を果たせるようにお互いに学び合おう」という思いが始まりでした。「批判より提案を」「思想より行動を」「リーダーとしての自覚を」という行動指針を掲げたところ、それに共感・共鳴したメンバーが続々と集まってきたのです。あれから7年。若手リーダーの勉強会のようだったG1サミットは、集まる人たちのネットワークが横に大きく広がっただけでなく、その中から実際に日本を動かすパワーを持つ人たちが出てきました。政権の中枢にいる人、産業界の中枢にいる人、社会にインパクトを与えるイノベーションを起こしている人、グローバルな舞台で活躍する人。新しい日本をつくるリーダーを輩出するグループになっているのです。
堀さん(堀義人 グロービス経営大学院学長、グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー)は最初、「10年は続ける」と言っていました。それを聞いた私は10年後の自分自身を想像して「10年後にはもっと大きなことができる自分になっていたい」と強く思ったことを鮮明に覚えています。今、旧世代でも次世代でもなく、まさに私たちの世代が当事者になったということを実感しています。
編集部: 7年の間にG1も、G1の参加者も大きく変化したということですね。
秋山: 今回のプログラムを見ると、その変化を感じ取ることができます。原発や従軍慰安婦報道の問題など、社会からタブー視されてきた難問題や大きな社会問題をあえて取り上げ、本質的な問題から逃げずに、しっかりと向き合おうという意欲に満ちています。議論のための議論ではありません。社会に影響を及ぼす立場にいる人たちが当事者として議論し、次にどのような行動をするかを決めていこうというわけですから迫力が違います。責任がある人たちが集まるから逃げない議論になるのだと思います。
発足から7年間、ずっと議論を続けてきたコミュニティーだからメンバーには厚い信頼関係が築かれています。ポジショントークとか、表面だけをなぞるような議論はありません。本音で意見をぶつけあう、そういうカルチャーが作られてきました。その意義は本当に大きいと思います。
参加者の皆さんは、「脳みその中の普段使っていない部分を刺激された」とよくおっしゃいます。2~3日の泊まりがけ。普段はできない集中議論で知的刺激のシャワーを浴びるので、ドーパミングがどんどん出てくる。知的興奮によって心地よい疲労を覚えるみたいですね。セッション会場だけでなく、コーヒーブレーク会場、朝昼晩の食事会場で、3次会、4次会にまで及ぶトコトン飲みの場で、様々な専門領域におけるトップリーダーの皆さんがどんどんつながっていきます。そうした珠玉のインターラクションから、新しい視点や発想、行動が次々に生み出されていきます。
編集部: G1の活動によって、本当に日本をより良くできますか。
秋山: はい、できると思います。そういう確信と責任感が、G1コミュニティーの中に醸成されているのを感じます。同じ志を持った人たちが集まっています。意志あるところに道は通じます。一人ひとりの力は小さいかもしれませんが、同じ志で結ばれた多くの人たちが同時多発的に行動することによって物事が実際に動いていくのです。自分の小さな力も決して無駄ではない、役に立っている。そういう確信を持てるのです。
第7回となるG1サミットのテーマは「100の行動から始まる静かな革命」です。3日間の議論を通して、日本をより良くする行動が具体的に起こされていくでしょう。「静かな革命」は、ここから始まるのです。
第6回G1サミットより(2014年3月開催)