ビジネスリーダーにぜひ読んでほしい1冊を紹介するこのコーナー。第4回は4月2日に発売されたばかりの『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』(グロービス経営大学院編著、ダイヤモンド社)をご紹介する。累計販売30万部を超える『グロービスMBAマネジメント・ブック』の応用科目編とはどのような内容なのか。
本書は、経営学の教科書としては驚異的なロングセラーとなった『グロービスMBAマネジメント・ブック』の応用科目編である。
そもそも、『グロービスMBAマネジメント・ブック』を刊行した動機は、「現実のビジネスに活用可能な形で、MBAで学ぶエッセンスをコンパクトにまとめよう」「ビジネスパーソンの机の上には必ず『マネジメント・ブック』が置かれているようにしよう」と考えたことである。上梓前は「日本ではそのような書籍に対するニーズは少ないだろう」という人間がほとんどだったが、いざ蓋を開けてみると、2800円という高価格帯のビジネス書としては画期的なベストセラーとなった。その成功をきっかけに、『グロービスMBAアカウンティング』や『グロービスMBAマーケティング』など各論をまとめたグロービスMBAシリーズもスタートした。多くのビジネスリーダーの方から、グロービスMBAシリーズの書籍を座右に置いて活用しているという、お褒めと励ましの言葉をいただいた。また、海外MBAに挑戦した方々も、留学前や留学中にグロービスMBAシリーズを読んで要点を掴むのに活用いただいたとも聞く。いろいろな意味で、エポックメイキングな書籍であった。
『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』は、その応用科目編である。『グロービスMBAマネジメント・ブック』がMBA1年次に学ぶ基本7科目を紹介していたのに対し、『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』では、MBA2年次で学ぶ応用科目を中心に6科目取り上げている。
具体的には、「アントレプレナーシップ(創造)」「変革・再生(変革)」「サービス・マネジメント」「テクノロジー・マネジメント」「グローバル経営」「エコノミクス」――の6科目である。「創造と変革のMBA」を謳うグロービス経営大学院にとって、アントレプレナーシップと変革・再生を取り上げるのは必然のことであった。また、グローバル化が加速する昨今、グローバル経営というテーマも落とせない。サービス・マネジメントとテクノロジー・マネジメントについては、基礎科目で学ぶ内容だけではカバーできない難所や勘所も多く、またグロービス経営大学院の学生には実際にサービスや製造業といった産業に従事される方も多いことから、この2科目も追加した。最後のエコノミクスについては、最重要隣接科目と言うべき分野である。本来、ビジネスリーダーが経済の基本を知らないということではお話にならないはずなのだが、現実には「分かっているようで分かっていない」領域の代表でもある。そこで、ミクロ経済とマクロ経済の基礎を、最新の話題とともに解説している。体裁は、『グロービスMBAマネジメント・ブック』で好評だった見開き2ページで1つのテーマを解説するというパターンを基本的に踏襲している。
なお、本書単独で読んでも得るものは十分に大きいと自負しているが、『グロービスMBAマネジメント・ブック』と併せて読めば、より効率的かつ網羅的に経営のエッセンスを学ぶことができるだろう。すべてのビジネスパーソンの座右に、ぜひこの2冊を置いてほしい。
『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』
グロービス経営大学院編著
2015年4月、ダイヤモンド社刊
2,800円(税込3,024円)