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実績主義とは?成果で評価する人事制度のメリットとリスクを徹底解説

投稿日:2025/07/15更新日:2025/08/13タイマーのアイコン 読了時間 5分

実績主義とは、業務の成果に基づき従業員を評価・処遇する制度です。グロービス経営大学院の教員が執筆した「MBA経営辞書」をもとに解説します。

実績主義とは

実績主義(メリットシステム)とは、業務遂行の結果に基づいて従業員を評価する考え方のことです。

つまり、「何を達成したか」という成果を重視し、その実績に応じて評価や処遇を決める制度です。出来高や売上高に応じた評価が典型的な例で、客観的で定量的な物差しを基準とする透明性の高い仕組みとして知られています。

この制度では、実績を上げるための方法や環境は問わず、純粋に結果のみで判断します。そのため、従業員にとって評価基準が明確で分かりやすく、努力や成果が直接的に報酬に反映されるという特徴があります。

なぜ実績主義が重要なのか - 現代ビジネスにおける評価制度の核心

現代の競争激しいビジネス環境において、実績主義が注目される理由は明確です。企業が持続的に成長するためには、成果を出す人材を適切に評価し、組織全体のパフォーマンスを向上させることが不可欠だからです。

①透明性と公平性の実現

実績主義の最大の価値は、評価の透明性と公平性にあります。数字という客観的な指標で評価されるため、「なぜこの評価なのか」が誰にでも理解できます。これにより、従業員間の不公平感を減らし、組織の信頼性を高めることができます。

②モチベーション向上の効果

成果が直接的に評価や報酬に結びつくことで、従業員のモチベーションが大幅に向上します。頑張れば頑張った分だけ報われるという明確な関係性が、個人の努力を最大限に引き出す原動力となるのです。

実績主義の詳しい解説 - 仕組みと特徴を理解する

実績主義を深く理解するためには、その仕組みと特徴、そして背景にある考え方を詳しく見ていく必要があります。

①他の評価制度との違い

実績主義は、年功序列制度や能力主義とは大きく異なります。年功序列制度は勤続年数や年齢を重視し、能力主義は潜在的な能力や資質を評価対象とします。

一方、実績主義は過去の経験や将来の可能性ではなく、「今、何を成し遂げたか」という現在の成果のみに焦点を当てます。営業職であれば売上実績、製造業であれば生産性や品質指標など、具体的で測定可能な成果が評価の基準となります。

②評価の仕組みと運用方法

実績主義の評価は、通常以下のような流れで行われます。まず、明確で測定可能な目標を設定し、一定期間後にその達成度を数値で測定します。そして、その結果に基づいて給与、賞与、昇進などの処遇を決定します。

この過程では、外部要因の影響を最小限に抑えるため、個人の努力でコントロール可能な指標を選ぶことが重要です。ただし、現実的には完全にコントロール可能な指標を設定するのは困難な場合も多く、ここに実績主義の課題が生じます。

③実績主義が生まれた背景

実績主義は、産業革命以降の効率性追求と密接に関係しています。特に20世紀後半のグローバル競争の激化により、企業は より効率的で成果を出す組織運営が求められるようになりました。

日本でも1990年代以降、終身雇用制度や年功序列制度の限界が指摘される中で、実績主義への注目が高まりました。個人の成果を重視することで、組織全体の競争力を高めようとする動きが広がったのです。

実績主義を実務で活かす方法 - 効果的な導入と運用のポイント

実績主義を組織に導入し、効果的に運用するためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。

①適切な業務領域での活用

実績主義が最も効果を発揮するのは、個人の努力や能力が成果に直結しやすい業務領域です。営業職、製造業の現場作業、研究開発における特許取得数など、明確で測定可能な成果が期待できる分野では、実績主義の導入が比較的スムーズに進みます。

一方で、チームワークが重要な業務や、長期的な視点が必要な戦略企画業務などでは、実績主義のみに依存するのは適切ではありません。こうした分野では、実績主義と他の評価手法を組み合わせたハイブリッドな評価制度を検討することが重要です。

②デメリットを最小化する工夫

実績主義には、チームワークの阻害や短期的思考への偏重といったリスクがあります。これらのデメリットを最小化するためには、以下のような工夫が効果的です。

まず、個人の実績だけでなく、チーム全体の成果も評価に組み込むことで、協力的な行動を促進できます。また、短期的な成果だけでなく、中長期的な指標も評価に含めることで、持続可能な成長を重視する姿勢を育成できます。

さらに、コンプライアンスや企業倫理に関する項目を評価基準に明確に盛り込み、不正な手段による成果は評価しないという姿勢を明確にすることも重要です。

実績主義は適切に運用されれば、組織の競争力向上と従業員のモチベーション向上の両方を実現できる優れた制度です。しかし、その導入と運用には慎重な検討と継続的な改善が必要であることを忘れてはいけません。

参考ページ

MBA経営辞書「実績主義」

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