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成長機会は自らつかみとれ

投稿日:2018/07/14更新日:2024/09/16

『社内を動かす力』から「自ら成長し続ける 仕事上のポイント」を紹介します。

ビジネスパーソンとしての成長の最も大きな機会は仕事の中にあります。どれだけビジネススクールで学んだりビジネス書を読んだところで、仕事の場で実践できないのでは意味がありません。また、いつまでも同じ仕事をしていては、成長は早々に止まってしまいます。常に新しい機会、チャレンジを求め、またより高い視座で物事を考えることが、成長を加速する鍵となります。ちなみに大前研一氏はかつて、自己変革の鍵として、時間配分を変えること、住む場所を変えること、そして付き合う人を変えることの3つを挙げていましたが、それとも共通する部分が大です。漫然と仕事をするのではなく、どうすれば自分を一皮むけさせられるか、常に自問したいものです。

(このシリーズは、グロービス経営大学院で教科書や副読本として使われている書籍から、ダイヤモンド社のご厚意により、厳選した項目を抜粋・転載するワンポイント学びコーナーです)

◇    ◇    ◇

自ら成長し続ける 仕事上のポイント

仕事を通じて自己成長を遂げるための具体的な方法を考えましょう。以下にヒントを紹介します。

1

挑戦的な業務を自ら取りに行く

成長を加速させるポイントは、質の高い経験をする、未経験の分野に足を踏み込むなど、一段上の挑戦をすることです。自らの現在の実力を超えたチャレンジングな仕事に取り組むと、その課題をクリアするために能力を高める必要が出てくるため、仕事をしながら自らをレベルアップさせることができるのです。

チャレンジングな仕事とはどのようなものでしょう。いくつか例を挙げてみます。

●一プレイヤーから、人を動かす、まとめるなど、マネジャー的な仕事を取りに行く

小さくともチームを動かす立場になると、考えなければならないこと、成さなければならないことの種類が大きく変わるため、絶好の能力開発のチャンスになります。必ずしもリーダーの肩書きは必要ありません。積極的に後輩の指導をするといった取り組みも、自らの実力を高める上で大きく役に立つはずです。

●新しい仕事の立ち上げに参加する

新しいことを社内で立ち上げる場合、往々にして、人数も予算も経験も、様々なものが不足した状態で始まります。リソースが不足しているということは、逆に言えば、参加した人は一人何役もの仕事をしなければならないということです。

これは様々な能力開発につながるばかりか、自らの得意分野、不得意分野などを実体験に基づいて理解する良い機会にもなります。

●海外で働く機会を取りに行く

海外で仕事をする際には、言葉も文化も違う人と接触する機会が増えます。慣れ親しんだ職場とは異なり、一見簡単に見える仕事でさえ、チャレンジングなものになってきます。また、多くの刺激を受けたり、未体験なことを経験したりする機会も増えるでしょう。

異質なものと触れ合うことで、改めて自分自身を振り返ったり、自らの強み・弱みを意識したりするため、成長に弾みがつきやすくなります。

●場所の移動を伴う社内異動のチャンスを探す

海外勤務と同様、国内であっても、今までと異なる仕事に従事することは、大きな成長機会となります。特に、物理的な移動を伴うような異動は、生活環境や人間関係も大きく変化するため、良い意味での節目となるようです。

2

一つ上の視点で考える

よく「社長になってから社長にとって必要なことを勉強するのでは遅い」と言われます。これは、他のポジションでも同じです。常日頃、一つ、二つ上のポジションだったらどうするかを考え、次に向けた準備を継続することが大切なのです。自分が係長であれば、「もし自分が課長だったら、もし自分が部長だったら」と考え続ける、もしくはその仕事を取りに行くことで、視座を高めていくということです。

私は三菱総研時代、非常に若い頃からプロジェクト・マネジャー的な仕事を自ら進んでしていました。予算、工程表をできるだけ早いタイミングで作り、本当のプロジェクト・マネジャーに提案する。それが認められたら、次の段階のプランを頼まれもしないのに作り、提案する。そんなことを繰り返しているうちに、自然とプロジェクト・マネジャーとしての体や頭の動き方が身についていきました。

ちなみに、トヨタ自動車では、リーダーになったら、自分の部署に価値を提供してくれる部署(川上)のことと、自分の部が価値を提供する先の部署や顧客(川下)のことを考え、可能な限り最適化を図ることを求められます。

もし、自分がマーケティング部に所属するのであれば、自社の商品開発能力を理解するために技術開発部のことを考え、マーケティングプランができた後に実動してくれる営業部のことを考えなくてはなりません。そうすることにより、関係部署の関係性などを含め、大局観をもって物事を考えることができるようになるのです。

(本項担当執筆者:田久保善彦 グロービス経営大学院研究科長)

社内を動かす力
田久保善彦(著)、ダイヤモンド社
1620円

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