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『すべての「学び」の前に鍛えるべきは、「教わる力」である。』――メンバーの育成を促進するために

投稿日:2018/04/02更新日:2020/02/27

教わる力メンバーをどう育成したらよいか悩み、様々な書籍を読んだり研修に参加したりして「自分の教える力」を鍛えているという方は多いのではないだろうか。本書はそうしたメンバーの育成に困っている方に対し、むしろ「メンバーの教わる力」の上昇に目を向けるべきだとして、教わる力の高め方を紹介した本だ。

確かに、同じタイミングで入社したにもかかわらず成長のスピードが違う、というのはよくある話だ。その人自身の能力やマインドが関連しているはずだが、何が決定的に違うかと言われると、「吸収する力」が違うのだろう。本書を実際に読み終えたとき、教わる力の意味するところは、「吸収する力」に近いと感じた。

そもそも、育成とは双方のやり取りがあることが前提なので、大きく捉えると、コミュニケーションである。コミュニケーションは、お互いの前提や認識、知識が揃っているほうがスムーズである。つまり、育成においても、教える側と教わる側、それぞれに必要な知識やスキルがあり、双方のレベルが上昇したほうが、より効率的に成長ができるというわけだ。

では、教わる力とは具体的に何なのか。詳細はぜひ本書を読んで欲しいが、教わる力とは、適切なゴールを設定し、自分の現在地を把握し、ゴールまでの適切な道筋を選び、進んでいくことができることだと、著者は言う。

特に重要なポイントは、「自分の現在地を把握すること」だ。ゴールに対し、今自分は何が出来て、何が出来ないのか、これをしっかり把握できないと、何をしていいかも分からない。

その現在地を把握する際の参考として、今の自分は「知る」「分かる」「できる」のどのステップにいるのかを当てはめて考えてみるといい。「知る」はその言葉を知っている状態、「分かる」はその言葉を誰かに説明できる状態、「できる」は再現性を持って実行できる状態だ。

では、教わる力は、どうすれば鍛えることができるのだろうか。著者は、とことん細部までデキる人の真似をすることを勧めている。多くの人を真似ることで、沢山の判断軸を持ち、最終的には自分なりの判断軸を持つようになる。そうすれば、次に同じ事態が発生したときも、自分の判断軸で意思決定ができるのだ。逆に言えば、自分の判断軸が無い人は、何か情報を与えられても、取捨選択が出来ないので、あれもこれも重要となってしまい、意思決定ができないのである。

私自身、もっと早くにこの書籍に出会い、教わる力を鍛えることができれば、より早く多くのことを吸収できたのではと考えてしまう。ぜひ皆さんにはできるだけ早くこの書籍を読み、メンバーの教わる力を鍛えるべく適切なアクションを起こして欲しい。

すべての「学び」の前に鍛えるべきは、「教わる力」である。
牧田幸裕(著)、1620円

  • 西尾 和也

    グロービス経営大学院 アルムナイ・キャリア・オフィス/研究員

    南山大学総合政策学部総合政策学科卒業/グロービス経営大学院(MBA)修了 基幹系システムの設計・開発を行うSI企業に新卒入社し、大手金融機関の基幹システムや総合商社の生産管理システムの設計・開発を担当。その後グロービスに入社し、経営大学院/グロービス・マネジメント・スクールの東京校にて、6年間クラスオペレーションや履修関連の学生相談窓口の責任者を担当。現在はアルムナイ向けの各種サービスの企画運営を担当。また、思考領域の研究、コンテンツ開発も担当している。

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