『すべての「学び」の前に鍛えるべきは、「教わる力」である。』――メンバーの育成を促進するために 

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教わる力メンバーをどう育成したらよいか悩み、様々な書籍を読んだり研修に参加したりして「自分の教える力」を鍛えているという方は多いのではないだろうか。本書はそうしたメンバーの育成に困っている方に対し、むしろ「メンバーの教わる力」の上昇に目を向けるべきだとして、教わる力の高め方を紹介した本だ。

確かに、同じタイミングで入社したにもかかわらず成長のスピードが違う、というのはよくある話だ。その人自身の能力やマインドが関連しているはずだが、何が決定的に違うかと言われると、「吸収する力」が違うのだろう。本書を実際に読み終えたとき、教わる力の意味するところは、「吸収する力」に近いと感じた。

そもそも、育成とは双方のやり取りがあることが前提なので、大きく捉えると、コミュニケーションである。コミュニケーションは、お互いの前提や認識、知識が揃っているほうがスムーズである。つまり、育成においても、教える側と教わる側、それぞれに必要な知識やスキルがあり、双方のレベルが上昇したほうが、より効率的に成長ができるというわけだ。

では、教わる力とは具体的に何なのか。詳細はぜひ本書を読んで欲しいが、教わる力とは、適切なゴールを設定し、自分の現在地を把握し、ゴールまでの適切な道筋を選び、進んでいくことができることだと、著者は言う。

特に重要なポイントは、「自分の現在地を把握すること」だ。ゴールに対し、今自分は何が出来て、何が出来ないのか、これをしっかり把握できないと、何をしていいかも分からない。

その現在地を把握する際の参考として、今の自分は「知る」「分かる」「できる」のどのステップにいるのかを当てはめて考えてみるといい。「知る」はその言葉を知っている状態、「分かる」はその言葉を誰かに説明できる状態、「できる」は再現性を持って実行できる状態だ。

では、教わる力は、どうすれば鍛えることができるのだろうか。著者は、とことん細部までデキる人の真似をすることを勧めている。多くの人を真似ることで、沢山の判断軸を持ち、最終的には自分なりの判断軸を持つようになる。そうすれば、次に同じ事態が発生したときも、自分の判断軸で意思決定ができるのだ。逆に言えば、自分の判断軸が無い人は、何か情報を与えられても、取捨選択が出来ないので、あれもこれも重要となってしまい、意思決定ができないのである。

私自身、もっと早くにこの書籍に出会い、教わる力を鍛えることができれば、より早く多くのことを吸収できたのではと考えてしまう。ぜひ皆さんにはできるだけ早くこの書籍を読み、メンバーの教わる力を鍛えるべく適切なアクションを起こして欲しい。

『すべての「学び」の前に鍛えるべきは、「教わる力」である。』
牧田幸裕(著)、1620円

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