「学校法人グロービス経営大学院」誕生へ! 

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1.設置者を株式会社グロービスから学校法人グロービス経営大学院に改める。

2.変更の時期 平成20年4月1日

12月3日に文科省 で受け取った、「学校法人設立の認可書」には、文部科学大臣名でシンプルにそう書かれていた。この認可書によって、「株式会社立」の大学院から、「学校法人立」の大学院へと変更となる。そして、来年4月1日から私立大学としてスタートすることになるのだ。

認可書授与式の当日、当初予定が入っていたので、代理の方に受け取ってもらうつもりであったが、「こういう機会はもう無いであろう」と思い直し 、スケジュールを変更して文部科学省に受け取りに行くことにした。

改築工事のため移設中の文科省の丸の内のビルに向かい、2階の待合室に上がると、そこは大学・大学院の関係者でごった返していた。一昨年は、構造改革特区を活用した株式会社立の大学院の認可書を受け取りに参上していた。 それ以来二回目の認可書授与式である。

待合室の片隅に座りながら、色んなことを思い出していた。

たった一人でアパートの一室と渋谷の貸し教室で学校を始めた15年前の日々。1996年に初めて英国国立レスター大学と提携して、グロービスとのジョイントMBAプログラムをつくったときのこと(このジョイント・プログラムは2008年1月期で幕を閉じることとなる)。更に、2003年4月に東京で、「社会認知型」のビジネス・スクールとして、GDBA (Graduate Diploma in Business Administration)と言うグロービスオリジナルのプログラムを開始したとき。そして、2006年4月より、構造改革特区を活用して、株式会社立の大学院となった時のこと、などである。

それまでの間、僕らは、社員、学生や教員の方々と、グロービスの方向性に関して議論を重ねてきた。特に学生からは、文部科学省認可の大学院になることに反発する意見が多く出された。なぜならば、それによってグロービスの良さが失われてしまうのでは、と恐れたからである。

僕は、学生との対話を重視してこれらの改革を進めてきた。先週、グロービスの学校法人化の認可承認が、文部科学省で発表された当日には、その理由と経緯を、グロービスのGDBA生(MBAの前身の学生)とMBA生に向けて、卒業生・在校生問わず全員に、以下の要旨にて、発信した。

ちなみに、グロービスでは、前身のGDBA生と大学院化後のMBA生とを総称して、GMBA生と呼ぶ。

「GMBA生の皆さん

今般グロービスは、学校法人化に向けて舵を切ることになりました。

確かに大きな変化ではあります。しかし、グロービスが、2005年に構造改革特区を活用して文科省に大学院設置を申請したときに既に、「ルビコン川を渡っていたのだ」と僕は認識しています。なぜならば、その時にグロービスは、「社会認知型」の精神を維持しながらも、文科省認可の大学院の道を選ぶことにしたからです。

世界を見渡してみても、トップ・スクールにランクされている大学・大学院で、株式会社立で運営されているものは無いです。「アジアNo.1のビジネススクール」を目指すならば、内部留保の蓄積や寄付金による基金の創設などが重要になります。

グロービスは、ハード面では他の大学と比べても、かなり見劣りします。80万円の元手で、「よいものを教えたい」というソフト重視で始まり、政府の補助や寄付金を一切受け取らないで始まっている学校ですので、ある程度は仕方が無いと思います。ただ、これからは、キャンパスのハード面の向上など、更に教育環境を整備したいと思います。そのためには、学校法人化は必要なステップと考えています。

一方、学校法人化によるデメリットは何かと言うと、「配当ができなくなる、オーナーシップが無くなる」というものです。つまり、株式会社としてのメリットを失うという結論でした。

グロービスは、利益を目的につくられたものではないし、上場も考えていないです。当然、上場をすれば、株式を所有する人々は、多大なキャピタルゲインを得られますが、失うものも大きいです。上場後は、皆さんもファイナンスで学んでいるように、株主価値の最大化、一株あたり利益の最大化をしなければならないです。

その道を選ぶのか、それとも、教育価値の最大化を目指し、「創造と変革の志士」を輩出し、「アジアNo.1のビジネススクール」になることを目指すべきなのかを意思決定しなければなりませんでした。

戦略とは選ぶことです。どちらかを捨てて、どちらかに集中しなければならないです。どちらを優先するかという意思決定の際には、僕らは迷わず後者を選びました。つまり、「創造と変革の志士」を輩出し、「アジアNo.1のビジネススクール」になることを目指そうと決めました。

現世のキャピタルゲインの利益よりも、後世に遺すものを優先したいと思いました。これから200年、300年と続くグロービス経営大学院の、後世への礎を築き、後世に良い教育機会を遺していきたいと思っています。

今後は、グロービスは学校法人化して、資本の蓄積を行い、良い教育環境をつくり、良い学生を集めるという、グッドサイクルをまわすべく努力を続けて参ります。GDBAから始まったグロービスの「創造と変革の志士」のDNAが、MBA生に伝授されていく、学校法人グロービス経営大学院として、進化させていきたいと思っています。

学生の皆様には、グロービスにて大いに学んで頂き、「創造と変革の志士」として羽ばたき、社会に新たな価値を創造して欲しいと思っています。

そして、「アジアNo.1のビジネススクール」を目指して是非一緒に邁進していきましょう。(^^)/
これからもよろしくお願いします。m(__)m

堀義人

待合室で待っている時に、文部科学省担当者から、「グロービス経営大学院さん」、と声をかけられた。8階にある局長室に向かい、局長から両手でしっかりと認可書を手渡された。

「ヤッター」という喜びは特に湧いてこなかった。それよりも、「いよいよこれからだ」、という武者震いのような緊張感が湧いてきた。身が引き締まる思い、というのはこういうものであろうか。

いよいよ来年4月より、グロービスは学校法人としてのスタートを切る。
アパートの一室と貸し教室で始まった学校が、15年間で経営学修士(MBA)の学位を発行する私立大学に飛躍することになる。

しかし、アジアNo.1に向けての道のりは、まだ始まったばかりなのである。だからこそ気が引き締まるのだ。
ユリウス・カエサルが、ルビコン川を渡るときに発した言葉は、以下であったと言う。 
”進めばこの世の地獄、進まざれば我が身の破滅。ならば進もう、神々のいる処へ。賽は投げられた" 
僕は、この言葉を以下のとおり、代えてみたい。 
「進めば創造と変革の試練、進まざれば我が身の破滅。ならば進もう、社会が望む処へ。賽は投げられた」 
2008年4月1日、学校法人グロービス経営大学院が誕生する予定である。

 

2007年12月7日
グロービスの事務所にて執筆
堀義人

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