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パース滞在記 - その3:パースの風景

投稿日:2007/08/24更新日:2019/08/21

パース行きの夜行直行便の機内では、子供5人ともぐっすりと休むことができていた。そして予定より早く、朝6時前にパース空港に降りたった。
早朝にもかかわらず、空港に友人の妹のリサが迎えに来てくれていた。ありがたい話である。リサは、パースの姉妹都市でもある鹿児島に一年間住んでいたこともあり、大の親日家なのだ。

空港で、8人乗りのワゴンを借り、リサの先導で僕らが住む予定のアパート(家)に向かった。僕らが友人から借りた家は、バースウッドという街中に近い川沿いの再開発地域に位置していた。新築3階建てのタウンハウス形式(いわゆる高級な長屋)の建物だ。

そのアパートはかなりモダンで格好いいのだが、モデルルームとして使われていたままの状態で、とても住めるような環境ではなかった。シーツやカーテンは無いし、電話回線も届いていないのだ。その日から買出しをしながらの悪戦苦闘の日々が続いたのである。

いずれにせよ、着いたその日の午前11時に、子供たちが通学予定の小学校の校長先生との面談予定が入っていた。子供たちもお着替えをして、その小学校まで向かった。芝生の中にレンガ造りのこじんまりとした校舎が見えてきた。青い制服を着た小学生が校庭を歩いていた。そこは幼稚園を併設したカトリック系の私立の小学校で、一学年2クラスの小さな学校であった。校長先生に丁重にご挨拶をした。

長男は5年生、次男は3年生、三男は1年生に編入することとなった。3人とも日本の学年より一つずつ格上げされてのスタートである。三男は、日本では保育園の年長組みである。小学校一年生に入るということは、学校に通うというチャレンジと、英語で学ぶというチャレンジとの、二つの試練と向き合う必要があることになる。若干心配になってきた。

四男が幼稚園に編入できるようにその場でお願いして、校長先生との面談を終えた。制服を受け取り、時間などを確認して学校を後にした。

そのまま休む間もなく、ひたすらショッピングである。シーツ、タオル、掃除機や炊飯器などの電化製品、大量の食料品、更には食器などの生活必需品を調達した。そして家に戻り、掃除やシーツかけ、更に冷蔵庫・洗濯機のセットアップから、子供の世話などをして、慌しく過ごし一日目を終えた。

学校がスタートするまでの期間は、食住の環境を整えるのと、子供たちと一緒に遊ぶ事に時間を使うことにした。子供たちがパースを好きになり、楽しく過ごしてもらうことが一番重要なのである。

ここで、僕らが夏休みを過ごす予定であるパースに関して簡単に説明しよう。

パースは、オーストラリア大陸の南西に位置する西オーストラリア州の南西に位置する州都である。人口は190万人程度で、この州の90%以上の人々がこのパース近郊に住んでいるという。この州の産業は、主に鉱業と農業である。75%の輸出は鉄鉱石や石炭などの原材料で、20%が牛肉などの農産品だという。そして、その過半数が日本に向かっているのである。

最近の中国経済のめまぐるしい発展で、近年原材料が高騰し、外貨が流れ込み、その結果パースの不動産価格は急激に上昇していた。過去5年間で3倍以上になったという。また、失業率も1%以下ということで、日本のバブルを彷彿させるような好景気である。

このパースは、スワン川の下流の平地に位置しており、湖も多く、海岸には美しいビーチが連なっている。スワン川の河口には、フリーマントルという港街がある。そこは豪州が初めてヨットのアメリカズ・カップを米国から奪った本拠地でもあった。

僕らはパースを理解しようということで、最初の週末は、観光にあてることにした。
土曜日は、カンガルーやコアラ、ウオンバットに触れられる野生公園に向かい、日曜日は、サメやエイとニラメッコができる水族館に向かった。

野生公園は、スワン川を北東にのぼり、「スワンバレー」という有名なワイナリーの西に位置する、緑豊かな広大な自然公園の中に位置していた。天気にも恵まれて、オーストラリア固有の動物たちと触れ合うことができた。

水族館は、パース市の北西の海沿いに位置していた。水族館を見学した後は、入江のビーチサイドで、子供5人とともにのんびりと過ごした。パースのビーチサイドは、とても美しい。空は真っ青で空気が澄んでいておいしい。太陽の陽射しは、冬だというのにかなり明るく強い。昼間は、日焼け止めクリームを塗り、帽子をかぶり半そで半ズボンで過ごすことことができた。ただ、空気が乾燥しているためか、夜や早朝はかなり冷え込む。米国西海岸の気候に良く似ていた。

野生公園と水族館の行き帰りは、ドライブを楽しむことにした。パースの郊外には、木々の緑の中に、大きめのレンガ造りの赤茶色の家がゆったり並んでいた。所々に、緑の公園が広がり、街路樹の緑と同化して、リゾート地のような趣を呈していた。

パースのど真ん中を流れるスワン川は、途中から湖のように広がっており、青い水に光が反射して、白っぽく輝いていた。実に美しい光景である。パースは、ガイドブックによると、もっとも孤立した大都市らしい。確かに大いなる田舎町が、その良さを残したまま大きくなったような風情があった。

我家の前にも楕円形の緑の公園が広がっていた。野生公園や水族館から戻った後も、太陽の光を楽しむために外に出た。子供は遊びの天才である。直ぐにサッカーボールとテニスラケットを取出し遊び始めた。10歳から2歳弱の5兄弟がそれぞれの能力に応じて、ボールをけったり、ラケットで打ったりしていた。5人もいると兄弟同士で遊ぶだけでも色々な組み合わせができて、楽しいようだ。

そして、夕方6時に陽が暮れるまで遊びつくして家に戻り、シャワーを浴び、家族揃って夕食をし、夜9時には床についた。

いよいよ翌日からは、現地の学校に通い始めることとなる。その夜は、早めに就寝して、翌日に備えることにした。

2007年8月20日
パースにて
堀義人

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