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『続・働く理由』――人生の選択肢とやりがいをどう得るか?

投稿日:2017/11/25更新日:2020/02/27

「人生100年時代・AIや人工知能といった言葉が毎日聞こえてきますが、こういった言葉を聞いてワクワクする人は、手を挙げてみてください」

先日、グロービス経営大学院が主催するセミナーの冒頭で、講師からこのような質問が投げかけられました。40名ほどの参加者の中、手が挙がったのは2名。多くの方は、テクノロジーに仕事を奪われる可能性や、長い年月働き続ける可能性への不安を抱えていると答えました。

昨年から話題のリンダ・グラットンの著書『LIFE SHIFT』によると、人生は100年時代に突入し、70代・80代まで働く必要があると語られています。では私たちはあと数十年、テクノロジーに仕事を奪われる不安と隣り合わせの中で、生きる(食べる)ために必死で働き続けていかなくてはならないのでしょうか。

もちろん、そういった側面もあると思います。実際、「食べるために働く」「欲しいものを買うために働く」と、迷いなく言える時代もありました。しかし、物質的な豊かさが高まりかつ長期間働く必要がある今だからこそ、私たちは「何のために働くのか」という問いに真剣に向き合い、自分にとって人生の豊かさとは何かを問うことが重要になっているのではと感じます。

本書はまさに「何のために働くのか」という問いに答えるために、まず働く理由を「お金+やりがい」と分けた上で、「やりがいとは何で、どのように獲得していくものなのか」をマザーテレサや夏目漱石、スティーブジョブスやニーチェなど“99名の偉大な先輩”が語った言葉から読み解いていきます。

学び続けることで人生が豊かになる

やりがいを考える上で、本書で大事なキーワードとなるのは、「つながり」です。著者は、「自分で自分の目を見るためには鏡が必要であるように、自分の存在を確認するためには鏡としての他者が必要なのである」と言います。人間は他者・社会とつながりたいという欲求や必要性を持っていて、つながることで初めて、社会の中に役割を見つけることができる。そしてその役割を担うことそのものが、やりがいとなっていくのです。

しかし、社会とつながり役割を担うことは決して簡単ではありません。なぜなら、そのためには「自分がやりたいことを理解していること」「それを実現する能力があること」「それらが社会から求められていること」、この3つが重なる必要があるからです。また、特に人生100年時代においてはその重なりが1種類だけでは淘汰されてしまう可能性が高く、複数の選択肢を持つことが重要となります。

では複数の重なり(選択肢)を持ち、やりがいを感じられる人生を送り続けるために大切なことは何なのでしょう。

1つは、学び続けることだと私は考えています。変化の激しい中で生き抜くためには、まず変化を認識し、その時々に求められる力を発揮していく必要があります。そのためには、学び続け自らの能力を高めることは欠かせません。

もう1つが、ネットワークです。社会学者マーク・グラノヴェッターは「弱い紐帯の強み」を提唱していますが、これは、価値ある情報は社会的つながりが強い人々(家族や職場の人)よりも、社会的つながりが弱い人々(異なる環境で生きる人や異なる仕事をする人)からもたらされる可能性が高い、という理論です。

つまり、日常生活の「コンフォートゾーン」だけに留まるのではなく、「ラーニングゾーン」に身を置き様々な人々と触れる機会を作ることで、自らを客観視すると同時に、新たな可能性を広げることができるのだと思います。

働く理由は何か、自分にとっての豊かさとは何か、自分が担いたい役割は何か。そして、今、自分自身は何をすべきなのか。そのようなことを考えるきっかけとして、お勧めの1冊です。

続・働く理由
戸田智弘(著)
ディスカヴァー・トゥエンティワン
1555円

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