ビジネスの様々なシーンで、円滑なコミュニケーションを実現するために求められる、交渉力。上司や部下、同僚との相談ごとから、クライアントとの本格的な交渉など、様々なシーンで重要なスキルです。今回は、交渉力を高めるため学びになるGLOBIS 知見録の記事や、書籍、動画をご紹介します。
交渉力(ネゴシエーションスキル)とは
交渉力とは、利害関係者となる二者、あるいは複数のコミュニケーションにおいて、それぞれの主張を踏まえて最終的な妥結点に到達し、同意するまでのプロセスのことです。
多くのビジネス上の交渉では、その交渉後も関係が継続することが基本です。そのため、Win-Winの関係を前提として妥協点を探ることが基本となります。交渉力を身に付けることで、利害関係者同士の利益が最大になる点を導くことができるのです。
交渉をする時のポイント
交渉で重要な点は、以下のような点を押さえ、交渉の構造を理解することにあります。
- 交渉の争点は何か
- 交渉相手は誰か
- 争点の妥結可能性の範囲はどこまでか
- 各関係者の利益あるいは損失の関係はどうか
- こちらの主張に対して交渉相手がどのような対応をするか
- 相手の主張に対して、こちらはどのような対応をするべきか、せざるを得ないか
では、ここからはそんな交渉をうまく進めるためのスキルについて、具体的に身に付けるために参考となる記事、書籍、動画をご紹介します。
おすすめ記事:まず心がけたいポイントを個別に押さえる
連載『交渉術入門』
「BATNAとRV」「論点を増やすこと」「ゆさぶり戦術」「交渉に臨む姿勢」という、4つの基本ポイントについて、全4回で詳しく解説します。
第1回『交渉術とは?交渉に必要な「BATNA」と「RV」を事例で解説』はこちら。
交渉上手は頭の中にBATNA(バトナ)やZOPA(ゾーパ)などの構造を描く:交渉の基本概念
交渉や説得がうまい人は、交渉の構造を捉える視点がしっかりしています。交渉がビジネスパーソンにとって極めて日常的な行為であることを考えると、こうした基本的な構造理解とその関連用語の習得は、できるビジネスパーソンとなるための必須条件と言えるでしょう。BATNA(バトナ)や留保価値(Reservation Value)、ZOPA(ゾーパ)といった交渉の構造を説明する用語についてを解説します。
おすすめ書籍:交渉の全体像を理解する
『グロービスMBAで教えている 交渉術の基本―――7つのストーリーで学ぶ世界標準のスキル』
MBA流の交渉を構造として把握する考え方に加え、ゼロサム型ではない価値創造型の重要性と実践手法を説く書籍。上記の『交渉上手は頭の中にBATNA(バトナ)やZOPA(ゾーパ)などの構造を描く:交渉の基本概念』で紹介した内容のほか、負けない交渉戦略、かけ引き、調整、落としどころの決め方、更には相手が仕掛けてきたときの防御法など、テクニックについてリアルなビジネスシーンにおける7つのストーリーを用いて解説します。
おすすめ動画:具体例から考えて交渉力を学ぶ
『ハゲタカ』に学ぶ経営と交渉術
2004年の刊行以来、累計195万部を超えるベストセラー、『ハゲタカ』シリーズ。企業買収者である主人公・鷲津政彦の仕掛ける企業買収劇は、資本主義のシビアな競争と人間の本質をあぶり出し、経済小説の金字塔となっています。
勝つことこそが至上命題となるビジネスにおいて、勝者となるために必要なことは何か。『ハゲタカ』をケーススタディとして考える経営と交渉術について語ったセミナーです。
落としどころが見出せない交渉は「争点の数を増やす」ことを意識せよ
続けて「みんなの相談室Premium」より、「郊外でも広い部屋がいい私と、狭くても都心がいいという夫の妥協点は?」というお悩みに答える回。妥結点を探るために必要な「争点(=議論するポイント)の数を増やす」という手法について、グロービス経営大学院教員・嶋田毅が解説します。
より詳しく体系的にネゴシエーションスキルを学んでみたい方へ
参加者・関係者との「協働」により新たな方法や枠組みを生み出す力を養うグロービス経営大学院の科目、「ファシリテーション&ネゴシエーション」はこちら