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プレゼンで聴き手の疑問を先回りするコツ

投稿日:2017/09/30更新日:2019/04/09

『グロービスMBAで教えている プレゼンの技術』から「『聴き手が疑問に思いそうなこと』を洗い出すヒント」を紹介します。

プレゼンテーションを真剣に聞いてもらうには、相手の関心を引き続ける必要があります。それゆえに、聴き手の頭の中に「?」を起こさせるような問いかけをして揺さぶりをかけたり、人間の自然な頭の動きを想定した上で、聴き手が「次はたぶんこの話が来るのだろう。どうなるのかな?」と思ってもらえるような順序で話をすることが効果的なのです。たとえば、ある施策を提案する際に、まずメリットを説明すれば、当然聴き手の頭の中には「このデメリットやリスクにどう対応するのだろう?」という疑問が生じます。そうした自然に湧きあがるであろう疑問に丁寧に応えるよう準備をすることで、聴き手を最後まで引き付けられる可能性が増すのです。初めて聴く聴衆の立場に立って、「これって相手の関心を引き続けられるだろうか?」をぜひ自問してみましょう。

(このシリーズは、グロービス経営大学院で教科書や副読本として使われている書籍から、ダイヤモンド社のご厚意により、厳選した項目を抜粋・転載するワンポイント学びコーナーです)

◇    ◇    ◇

「聴き手が疑問に思いそうなこと」を洗い出すヒント

「聴き手が疑問に思いそうなこと」を洗い出すには、ステップ2で行った「聴き手の理解」をフル活用して、聴き手は何を求めているのか、何に引っかかるのか、何についてすんなり理解しにくいのか、冷静に考えてみる必要があります。

とはいえ、この作業はかなり難易度の高いものです。話す自分にとっては既によくわかっていることなので、聴き手が疑問に思うことでも自分は疑問を感じないからです。そこで、考えのきっかけとして以下のような「人がものごとを把握しようとするときの典型的な視点のセット」を当てはめて考えてみるとよいでしょう。

(1)    全体から部分へ

まず大まかな全体像を捉え、それを構成する各部分に分けていくという考え方です。たとえば、財務成績でまず売上と利益について触れ、それから売上の構成や費用の各項目を見ていくといったイメージです。ある事柄を客観的に説明したり報告したりするときに使えます。

(2)    時系列の流れ(過去/現在/将来)

ある状況を説明するときに押さえておきたい視点です。たとえば、「最近の若者は自動車を買わなくなっている」ことを説明するとして、「過去はどうだったか」「今どうなっているか」「将来どうなりそうか」という疑問を押さえるという具合です。

(3)    問題解決の流れ

いわゆる提案営業や、ある施策について同調や協力を訴えるときなどに押さえておきたい視点です。問題解決の流れとは、

・問題の明確化(何が問題か)
・問題箇所の特定(その状況の中で特にどこが問題か)
・要因の把握(なぜそこで問題が発生するのか)
・解決策の立案(どうやって解決するか)
・解決策の実行(どのように解決策を実行するか)

という思考の流れを指します。

(4)    メリット/デメリットの比較

選択肢を提示して、その中で意思決定させたいときに使える視点です。選択肢を列挙し、評価項目を定め、その項目について各選択肢のメリット/デメリット、あるいは期待できること/懸念されることなどを挙げていくというものです。

このようにまず、上記のようなパターンを使いながら、聴き手が着目しそうなことの候補を洗い出し、そして聴き手の関心やそれまでの知識に照らして「疑問に思うかどうか」を考え、話題を取捨選択していきましょう。

取捨選択する際の基準は、「このテーマで話を聴いて目的とする状態に移るには、聴き手はどんな疑問を、より重視するだろうか」です。「聴き手の疑問に思いそうなこと」という視点で洗い出していますから、全ての話題に聴き手は関心を持ちそうです。だからといって、全ての話題に触れていたのでは時間が足りなくなるおそれがあります。聴き手の疑問の中でもより関心が強いこと、意外感のあることを優先し、関心が低いこと、想定内で驚きが小さいことは省いていくのです。

ただし「言いたいことはたくさんある中で聴き手にとって本当に関心の高いものに話題を絞り込む」状況ばかりではなく、たとえば30分と時聞か決まっていて、この時間を埋めるために話題を「盛り込む」必要のある場合も出てくるでしょう。こんな場面でもやはり、漫然と話題を増やすだけではなく、聴き手の興味・関心のより強い話題を、膨らませていきます。

(本項担当執筆者:グロービス・コーポレート・エデュケーション 講師 山臺尚子)
 

『グロービスMBAで教えている プレゼンの技術』
グロービス経営大学院  (著)
1800円(税込1944円)
 

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