複数の選択肢から選ぶ時こそロジカルに“基準”をつくる

今年7月発売の『入社一年目から差がつく 問題解決練習帳』から「Lesson14評価軸を出す」の一部を紹介します。

通常、問題解決にあたっては、いくつかの選択肢が生じ、その中から最も適切なもの(あるいはその組み合わせ)を選ぶことになります。その際に重要になるのが、選択基準、言い換えれば選択肢の評価基準です。

たとえば同じ減量でも、急激に体重を落としたいのであれば脂肪吸引やライザップに通う方がいいかもしれませんし、なるべくお金をかけずにという点が重要であれば食事量を減らし、手軽なジョギングと組み合わせるのが有効かもしれません。このように置かれた状況によって選択肢の評価基準が変わることが問題解決を難しいものにします。ビジネスおいては目の前にある解決策にすぐに飛びつくのではなく、それらを状況に応じて適切に評価し順位付けすることが、成果も上がりますし、他者にも説明しやすくなって一石二鳥なのです。

(このシリーズは、グロービス経営大学院で教科書や副読本として使われている書籍から、東洋経済新報社のご厚意により、厳選した項目を抜粋・転載するワンポイント学びコーナーです)

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東京から福岡までの交通手段、飛行機にするか新幹線にするか考えています。

まず、思いついたのは、「どちらが安いのか(費用)」「どちらが速いのか(時間)」「本数はどちらの方が多いのか(柔軟性)」の3つです。

ここに、移動の間も、仕事が立て込んでいるためできれば仕事もしたいという状況があるので「仕事はどちらの方ができるか(効率性)」を加えて、評価することにしました。

・どちらが安いのか(費用)
・どちらが速いのか(時間)
・本数はどちらが多いのか(柔軟性)
・仕事はどちらの方ができるか(効率性)

さて、ここで、今度は状況を少し限定してみることにします。

例えば、「目的地までには、3時間後に到着しなければならない」という状況であると仮定しましょう。そうすると、2つ目の時間が重要な基準となり、新幹線という選択肢はなくなりそうです。他に、「いつ出かけられるかタイミングが読めない」という状況であると仮定しましょう。そうすると、3つ目の柔軟性が大事な基準になってきそうです。

また、例えば、「台風が近づいているため、確実に移動したい」といった要件が出てくると、先述にはなかった、「確実に移動できるのはどちらか(確実性)」といった基準が加わって、その基準が選択に大きな影響を及ぼすことになります。

改めて、今考えたことを振り返っておきましょう。最終的に、考慮した5つの判断基準は以下の通りです。

・費用は、どちらが安いのか(費用)
・時間は、どちらが速いのか(時間)
・本数は、どちらの方が多いのか(柔軟性)
・仕事は、どちらの方ができるか(効率性)
・確実に移動できるのはどちらか(確実性)

到着までの時間に制限があれば、2つ目の時間が、融通性が重視されるのであれば、3つ目の柔軟性が、台風が来ているのであれば、5つ目の確実性が、その他の評価軸と比べて、重要な意味をもってくるということでした。

ここで見えてきたことは、「基準はすべて等しいという訳ではないこと」です。言い換えると「支配的な基準=その基準が選択に大きな影響を及ぼす」があるということです。したがって、洗い出すことは重要ではありますが、判断基準を洗い出した後に、支配的な基準はないかということをしっかりと確認することが重要です。

 

入社1年目から差がつく 問題解決練習帳
著者:グロービス 執筆:岡重文 発行日:2021/7/30 価格:1760円 発行元:東洋経済新報社

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