因果関係はまず視覚化からあたりをつけよ

今年7月発売の『入社一年目から差がつく 問題解決練習帳』から「Lesson10 事象の因果関係を視覚化する」の一部を紹介します。

問題には必ず原因となる事象があります。そして通常、それらは複雑に絡み合っています。こうした複雑な関係を頭の中だけで考えていては問題解決の効率は上がりません。そこでお勧めしたいのが、まず因果関係を仮説的に図で視覚化(見える化)し、その妥当性を検討するというやり方です。時には視覚化する途中で「ひょっとしたらこれとこれはつながっているのではないか」と、それまで考えていなかった関係性が閃くこともあります。実際にその仮説が正しいかを検証するのはまた大変ですが、まずはあたりをつけておくことで効率を上げることができるのです。

(このシリーズは、グロービス経営大学院で教科書や副読本として使われている書籍から、東洋経済新報社のご厚意により、厳選した項目を抜粋・転載するワンポイント学びコーナーです)

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因果関係をつきとめていくことが、分析の目的のひとつです。そのためには、起こっている事象の間にどんな関係性があるのかを明確にしていく必要があります。そのための手法が、事象の関係性の視覚化。では、具体的にどのように事象の関係性を視覚化していけばよいのでしょうか。

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社内でアンケート調査を実施したところ、以下のような事実が顕著になりました。

・仕事に前向きに取り組めていない
・オンライン会議が増えている
・デジタル化か推奨されている

さて、これら3つの事象には、関係性がありそうです。どんな関係性になっていそうか、視覚化してみましょう。

図1

 

考えられる可能性のひとつは、図1のように、デジタル化が推奨された結果、オンラインでの会議が増え、その結果、仕事に前向きに取り組めていないというものです。3つの事象が順番に起こっていると考えることができそうです。

一方で、図2のような可能性もあります。大きな流れは、図1と同じですが、デジタル化が推奨されていることと仕事に前向きに取り組めていないということが直接つながっている点が違いです。

図2

 

図1の状況であると仮定すると、仕事に前向きに取り組めていないことの直接的な原因は、オンライン会議の増加になります。オンライン会議の何が問題なのかをさらに調べていくことなります。

一方で、起こっていることが、図2であると考えるのであれば、デジタル化が推奨されていることが仕事に前向きに取り組めていない原因の可能性があるということです。求められるスキルや変化していく環境に上手く適応できていないということも考えられるということです。

実際には、図1の状態が正しいのか、図2の状態が正しいのかは、さらに調べてみないとわかりません。ただ、図に書き出し視覚化することで、起こっている事象の関係性が見えてきます。すぐにどちらが正しいのかはわからないかもしれませんが、これから何を考えていけばいいのか、その方向性を決められるということに価値があります。

事象の羅列ではなく、事象間の関係性を視覚化することを心掛けましょう。

入社1年目から差がつく 問題解決練習帳
著者:グロービス 執筆:岡重文 発行日:2021/7/30 価格:1760円 発行元:東洋経済新報社

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