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製品のとらえ方: 製品はベネフィットの総計で競争せよ

投稿日:2016/02/13更新日:2021/10/22

目次

『グロービスMBAマーケティング』の第5章から「製品のとらえ方」を紹介します。

たとえば「グロービス経営大学院」というプロダクトは、教材やクラスで教えられたことだけがそのすべてではなく、学生間のネットワークや最終的に得られる学位、「グロービス経営大学院」というブランドやクラスの品質、受講のしやすさや柔軟さ、事務局の対応や奨学金制度、立地など、あらゆる要素がそこに含まれてきます。そのすべてが差別化の要素になり、また顧客満足度に影響してきます。製品設計に当たっては、顧客のニーズやライフサイクル上の位置などを踏まえた上で、製品をトータルで捉え、ターゲットとした顧客に大きな便益を提供する必要があるのです。

(このシリーズは、グロービス経営大学院で教科書や副読本として使われている書籍から、ダイヤモンド社のご厚意により、厳選した項目を抜粋・転載するワンポイント学びコーナーです)

製品のとらえ方

顧客が求めるのは、さまざまな便益を一括して手に入れられるような製品である。狭義には、製品は製品そのものの属性を指す。だが、マーケティングの観点からは、これを広義にとらえ、製品そのものの属性に加えて、売り手が提供する技術サービス、支払方法、売り手と買い手の間で育まれる人間関係まで含んだ包括的な製品(ホールプロダクト)として考えたほうがよい。なぜなら、顧客はさまざまな便益の束として製品をとらえ、評価するからだ。

製品に関する意思決定

図表で示すように、製品は3つの階層から構成されている。

コア:顧客の本質的なニーズを満たす機能そのもの
ビールや清涼飲料であれば液体そのもの、プロ野球であれば試合そのものを指す。

形態:コアに付随する製品特性、スタイル、品質、ブランド、パッケージなど
飲料であれば斬新な缶のデザインやパッケージ、プロ野球であれば「ジャイアンツ」というブランド名や球場での飲食がこれに当たる。

付随機能:アフターサービスや保証など、顧客が価値を認める付加機能
家電メーカーの修理サービス網などがこれに含まれる。製品によっては、保守サービス、テクニカルサポート、情報サービスなどが特に重視されることがある。

これら3つの階層のどの部分がマーケティング戦略において重要かは、その製品特性や市場の発達段階で異なる。例えば、書籍であればコンテンツ(コア)と著者というブランド(形態)が重要だが、コンピュータでは利用可能なソフトやさまざまな付加機能(形態)、アフターサービスや保証(付随機能)などがより大きな意味を持ってくる。また、その製品が導入期であれば、コアそのもの、そして形態で差別化することが最大の関心事となるが、市場が発達して同様の製品が出回り、機能や性能などでの差別化が難しくなれば、コンサルティング・サービスのような付随機能での差別化が必要になるかもしれない。

それぞれの階層の中でどの要因が最も重要であるかは、製品によって異なる。例えば、パソコンは性能や仕様などが重視されるのに対し、化粧品はブランドやパッケージなどが製品の魅力づくりに大きく影響する。

製品の類型

製品はその特注により、マーケティング戦略を策定するうえで有意義なカテゴリーに分類されている。さまざまな分類法があるが、マーケティングの実務上で特に重要なのが、1)製品の物理的特性による分類、2)使用目的による分類、3)顧客の購買行動による分類である(図表参照)。

こうした違いによって、セグメンテーションや重視するポイント、マーケティング・ミックスの設計などが多少異なることもあるが、「セグメンテーション、ターゲティング→ポジショニング→マーケティング・ミックス」という一連のマーケティング・プロセスや検討すべきポイントそのものが変わるわけではない。

次回は、『グロービスMBAマーケティング』から「価格設定に影響を与える要因」を紹介します。

https://globis.jp/article/4023

◆グロービス出版

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