経営戦略に関する本といえば、マイケル・ポーターやクリステンセンなどの書籍は必読でしょう。しかし、「教科書っぽくてワクワクしない」「古典すぎて今日感を感じない」という人も多いはず。そこで、ここでは数多ある戦略本の中でも、比較的新しく、かつ固すぎない書籍を厳選してご紹介します。
「P&G式 勝つために戦う 戦略」A・G・ラフリー/ロジャー・マーティン
充実した内容の割に、話題に登る機会が少なかった一冊。「P&G式」という言葉がタイトルにあるために、消費材に関心がある方の本のように捉えられますが、そんなことはありません。業界を問わず、汎用的な戦略の組み立て方が理解できる良書です。
「経営戦略全史」三谷 宏治
グロービスの戦略領域「イノベイティブ・ストラテジー」を担当している三谷講師の書籍。戦略論の流れを最近のトレンドまで含めて語り尽くすという壮大なチャレンジ。しかも、それでいて決して難しすぎず、エンターテイメント感覚で読めるという唯一無二の戦略本です。
「シンプルに考える」森川亮
環境変化が激しい業界における戦略のあり方、社員のマネジメントにおけるバイブルになる本。「戦略論はたくさんあるけど、どうもうちの業界のスピード感に合っていない・・・」という思いをお持ちの方に特にお薦めの一冊です。
「合理的なのに愚かな戦略」ルディー和子
戦略論を中途半端にかじるとこうなってしまう、ということに対する警笛をならす書籍。コラム集のような作りになっており、戦略論に関する網羅感はありませんが、一つ一つのトピックに対する切り込み方がユニークで面白いものがあります。一通りの理論・理屈を理解したと思っている方に一度読んで欲しい一冊です。
「イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ」クレイトン・M・クリステンセン/ジェームズ・アルワース/カレン・ディロン
個人的にここ数年で最高の経営書。いわゆる「戦略本」ではありませんが、入れてしまいました。原書のタイトルは「How will you measure your life?」ですが、こちらの方がこの書籍の意味を端的に示していると思います。企業戦略ではなく「人生の戦略」をどう構築できるか。その基準をどこにおくべきか。深い問いかけと余韻を残してくれます。