まとまった時間が取れるシルバーウィーク。この機会にビジネスに役立つ学びを深めたい方のために。グロービス経営大学院の教員が、ビジネス基礎力を鍛えられる本をご紹介します。
世界中で支持される名著から実践的な読書術を学ぶ
■推薦:中丸雄一郎(グロービス経営大学院 教員)
■推薦コメント:
皆さんは、本を読んだ後、その本に書かれていたことをどれくらい頭に残すことができていますか?一冊の本から一つでも多く・深く・本質的なポイントを掴むためには、「良質な読書技術」が必要です。これを身につけておけば、今後キャリアを形成していく上で大きく役立つことでしょう。本書では、「読書の目的をフェーズ毎に意図的に変える(=4つのレベル)」「著者と対話をしながら読む。そのために本に質問をしながら読む」など、具体的かつ実践的な技術が紹介されています。1940年にアメリカで刊行されてから、今もなお世界中で支持される古典的名著。是非一度ご一読ください。
マーケティングとブランディングの違いが分かるようになる
プラットフォームブランディング(ソフトバンククリエイティブ)
■推薦:川上慎市郎(グロービス経営大学院 教員)
■推薦コメント:
経営トップから突然「ブランディングをやれ」と言われて戸惑ったことのあるビジネスパーソンは多いだろう。マーケティングなら、どこの企業でも何となく専門部署があり、仕事の内容も決まっている。しかし、ブランディングとは…そもそもいったい何をすることなのか?世の中には「ブランディング」と言えばデザインや広告の面から解説した本はたくさんあるが、本書はそもそもブランドとは何か、どのようにして作られるのかという基本の話から、マネジメントの技術としてのブランディングの最新手法まで、網羅的かつ分かりやすく説明している。自社のブランドを何とかして高めたいと考える経営者から、手探りでブランディングに取り組んできた担当者レベルまで、多くのビジネスパーソンの参考になる1冊。マーケティングとブランディングの違いも、読めば説明できるようになる。
ありのままの自分に向き合うことで、本物のリーダーになれる
■推薦:金澤英明(グロービス経営大学院 教員)
■推薦コメント:
リーダーという立場になったとき、「こうあらねばならぬ」と身構えてしまった経験はありませんか?本書は、自分の「ありのまま」を大切にして、そこから湧き上がる情熱や志を大切にすること、真心をこめて他の人たちを鼓舞して支援することを通じて、リーダーとして「私」から「我々」に視点を転換することの大切さを教えてくれます。人生には大なり小なり紆余曲折があり、喜びもあれば、挫折もあるでしょう。そのようなライフストーリーが自分を形作ってきているのであり、本物のリーダーとしてのあり方を決めていきます。自分はこれまでどんな人生だったのか。その人生から、どのようなリーダーでありたいか。一度ありのままの自分に向き合ってみたい方におすすめです。
ドラッカー初心者必見!プロフェッショナルな働き方とは?
プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか(ダイヤモンド社)
■推薦:嶋田毅(グロービス経営大学院 教員)
■推薦コメント:
ドラッカーには多数の名著があるが、本書はタイトル通り、初めて読む方には最も取り付きやすい1冊である。彼の他の書籍に比べると、個人の働き方や自己研鑽にフォーカスしており、自己啓発書的な意味合いが強く出ている1冊でもある。他書籍からの抜粋版なので、1冊の書籍というよりは、論文集的に読むのがいいだろう。ドラッカー初心者向けということで全般に読みやすいが、それぞれのパートで述べている内容は深い洞察に裏付けられており、改めて読んでも考えさせられる部分が多い。一人ひとりがプロフェッショナル的な働き方が求められる現代、それを志すのであれば一度は読んでおきたい1冊である。
10年後、どんなキャリアを積んでいたいですか?
ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
■推薦:西村美也子(グロービス経営大学院 教員)
■推薦コメント:
本書は、2025年の未来に起こりうる変化として、「テクノロジーの進化」「グローバル化の進展」「人口構成の変化と長寿化」「社会の変化」「エネルギー・環境問題の深刻化」の5つを挙げ、人々の働き方がどのように変わるのかを具体的に予測して話題となった本です。そして、変化についていけなければ貧困に陥る可能性があることを示唆する一方で、そのような貧困に陥らずに明るい未来を生きるための方法も示しています。簡単に言うと、専門的な知識を持ち、協力してイノベーションを起こし、仕事に情熱を傾けて、幸福を見出すような働き方が求められるということです。この本は、皆さんに改めて自分のキャリアについて考えるきっかけを与えてくれることでしょう。