モノのインターネット(Internet of Things / IoT)
モノのインターネット(Internet of Things:IoT)は、インターネットやクラウドが、PCに代表される伝統的な情報端末のみならず、テレビやスマート家電など、あらゆる「モノ」とつながっている状態、あるいはそれらをつなげる技術やそれによって生まれるサービスを指す。「Internet of Everything」などと呼ばれることもある。この言葉が多く使われだしたのは2014年頃からであるが、Internet of Thingsという言葉自体は古く1999年にロバート・アシュトンによって提唱されている。
IoTの目的には、大きく、情報収集と制御がある。もともとアシュトンがこの用語を用いた際、その意図する内容は、センサーをあらゆる場所に置くことで、リアルの世界とネットとを結びつけることであった。
情報収集は、たとえば家電等にさまざまなセンサーを埋め込むことで、独居老人の挙動を知るなどが典型的である。かつては技術的制約、金銭的制約から、その対象者の行動は限定的にしかわからなかったが、IoTが進めば、たとえばトイレで自動的に尿の検査などを行うことなどにより、単に行動(特に異常値)だけではなく、健康状態なども知ることが可能となりうる。
制御の例としては、空調のオンオフや温度の設定などが典型である。これは単に部屋の状態を知ることで行うこともできるが、居住者の位置情報などと連関させて、たとえば自宅の500メートル以内に近づいたら自動的に空調が稼働するように設定するといったことも技術的には可能である。
こうした制御は、ビッグデータの解析などと組み合わせることにより、同じデバイスであっても、個々に異なる働きかけを行うことも可能である。たとえば、同じウェアラブルを装着していても、行動パターンの差異に応じて異なる情報が伝達されるようにするなども原理的には可能である。
今後IoTがどのように進化していくかは一概に言えないが、センサー技術、演算技術、通信技術などの発達と低コスト化によって、生活や産業のあり方を大きく変える可能性を持っている。